J1川崎F加入内定・永長鷹虎の直接FK弾で興國が大阪王者の阪南大高を撃破!
決勝点を挙げた興國FW永長鷹虎
高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関西の第7節が6月27日にJグリーン堺で行われ、インターハイ大阪予選で優勝した2位阪南大高とJ1川崎フロンターレ内定の永長鷹虎擁する5位興國の一戦は、FW永長が決勝ゴールを挙げた興國が2-1で勝利。この結果、勝ち点3を上積みした興國は2試合未消化ながら3位に浮上、一方首位履正社を追走していた阪南大高には痛い敗戦となった。
興國はインターハイ予選で規定上出場できなかったセレッソ大阪U-18からの移籍組二人(9番FW向井颯と16番DF坂本稀吏也)と近畿大会で活躍し Bチームから昇格したメンバーが加わり、インターハイ予選時とは別のチームに生まれ変わった。「俊足トリデンテ」の前線3枚、右の永長鷹虎、真ん中の宮原勇太、左の向井颯がハイプレスをかける事で、相手のビルドアップを寸断。サイドバックも右の和田哉輝、左の坂本稀吏也で目処が立ったためMF武本射雅を本職の中盤に戻すことが出来た。
インターハイ予選ではビルドアップがDFラインで回すだけになりがちだったが、この日は右SB和田が内側のレーンを取るタイミングで連動してスピードアップを図ったり、左サイドもSB坂本のキック精度と50m5秒台のFW向井のスピードを活かした多彩な攻撃が見られた。
そして興國の一番の武器であるFW永長がボールを持つ度に切れ味鋭いドリブルで仕掛ける。攻撃のバリエーションが増えたことでより一層FW永長のドリブル突破も際立った。
一方、守備の要であるキャプテンDF西田祐悟を怪我で欠いた阪南大高は、このどこからでも攻められる興國の対応に苦戦する。ビルドアップ時も相手のハイプレスを剥がすので精一杯になってしまい、いい状態で9番エースFW鈴木章斗にボールを渡すことが出来ず、時折FW鈴木の個人技で形を作れるものの、本来の良さである相手を押し込んだ中での厚みのあるサイド攻撃が鳴りを潜めた。
先制点を挙げて喜ぶ興國イレブン
試合は開始直後、左サイドからのアーリークロスに一年生11番MF宮崎悠大がボレーで合わせるもGKのファインセーブに合う。ピンチを凌いだ興國がそこから試合の主導権を握ると11分、左サイドで裏への浮き球に先に追い付いたFW向井がチャンスメイクすると、最後はゴール前でフリーになった福田凌がゴールに蹴り込み先制。
厳しい展開が続いた阪南大高だったがワンチャンスを活かし同点に追い付く。31分、FW鈴木が相手陣内でボールを収め絶好の位置でFKを獲得。10番MF櫻井文陽がこのFKを蹴ると20番DF菊川泰河がヘディングで合わせ同点。阪南大高が1-1に追い付いて前半を折り返す。
興國は前半イエローカードをもらっていたMF武本を下げ、後半頭から14番MF山本蒼太を投入。そのMF山本がセカンドボールの回収からフィニッシュまでボールに絡むことで、後半は更に興國ペースに。そして81分、この試合何度もドリブル突破をみせていたFW永長が絶好の位置で倒されFKを獲得。このFKを「壁さえ越えれば決めれると思っていた」FW永長自ら左足で直接狙うと、壁を越えたボールが鋭く落ちてゴール右に吸い込まれた。その後も危なげなく試合を進めた興國がこのまま2-1で阪南大高に勝利。
結果的に一点差のゲームとなったが、内容的には興國が圧倒していた。試合後の内野智章監督も「メンツが揃ったのでもう一度前からいく事が出来た」と手応えを口にした前線3人から始まるハイプレスが攻守両面で効果的だった。その中でも「インターハイの時は永長も宮原も山本もボールを貰いに下がってきてしまってハチャメチャコンパクトに自分たちでしてしまっていたが、向井が入る事によって彼が背後で全てひっくり返してくれる。ボールの追っかけ合いをすればほとんど勝ってくれるので、彼が入るだけで相手がコンパクトにできない」と内野監督が絶賛する向井の効果は抜群。大阪王者の阪南大高を相手にこの内容で勝ち切れたのは選手たちの自信にも繋がりそうだ。
次戦、興國は現在無敗で首位を走る履正社と、阪南大高は4位東海大仰星とそれぞれ対戦する。
(文・写真=会田健司)
▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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