両チームとも固い守備で失点許さず、スコアレスドロー

大阪産大附 vs 金光大阪

 4月11日、高円宮杯U-18プリンスリーグ関西の第2節、大阪産大附(大阪) vs 金光大阪(大阪)が行われた。大阪産大附は阪南大高戦に続き2試合目、対する金光大阪は第1節の三田学園戦が延期となり、今季1試合目を迎えた。結果は0-0。スコアレスドローで試合を終えた。

 前半立ち上がり10分間、前線にロングボールを送り合う両チーム。金光大阪は10番FW小松勇輝、11番FW長谷川槙の2トップを起点に攻撃を展開。対する大阪産大附はサイドハーフが広くポジションを取り、サイドバックと2人の関係で背後を狙うシーンが多く見られた。

 まずチャンスを作り出したのは金光大阪。12分、中央レーンからのロングボールを11番FW長谷川槙が裏へ抜け出しヘディングでプッシュ。飛び出したキーパーを見てのタイミングのいいシュートとなったが、惜しくもゴール左に外れる。金光大阪は42分にもコーナーキックからニアで合わせヘディングシュート。面で捉え、強いシュートだったがこれも枠を外れる。前半は時間が経つにつれ、コンパクトな守備でボールを拾い始めた金光大阪が少し押し込んだものの、お互いなかなかシュートまで持っていくことができなかった。

 後半も構図は変わらず、お互いにシュート1本ずつのみ。両チーム最後まで決定的なシーンを作れず、そのままスコアレスドローで試合を終えた。

 試合後、金光大阪・岩松監督は「初戦だったので、勝ち点1取れたというのは悪くない結果。ただ、冷静さを欠いた攻撃の組み立ての部分は次の課題である。」とコメント。対する大阪産大附・中西監督も「初戦を経験してるということを生かしたかったが、まだ少し固さが取れず、冷静にゲームをコントロールできなかった。相手のストロングを消すという守備の部分では前節から改善が見られたが、そこから攻撃でいい形を作ることができなかった。」と、お互いに守備の部分では手応えを感じているものの、そこからの攻撃に関してはこれからの課題であると振り返った。

 この試合際立ったのは両チームのインテンシティの高さ。金光大阪はキャプテンの8番MF武仲勇海を中心に全員がハードワークをし、コンパクトな守備でスペースを与えなかった。また、金光大阪はこの試合何度かコーナーキックを迎えたが、中の初期配置、キックの種類など毎回違うパターンを見せた。相手自陣で取ったスローインは7番MF山口祐輝が何度もロングスローを送り、セットプレーに関してかなりデザインされていることを示した。大阪産大附は初戦の阪南大高戦から守備の改善が見えた。サイドではサイドハーフが自陣までプレスバックをしクロスを上げさせず、阪南大高戦では先に触られることが多かったセットプレーもほとんど跳ね返していた。また、金光大阪の能力の高い2トップに対し、CBの15番DF石岡治樹、21番DF浦林圭祐のチャレンジ&カバーは圧巻のパフォーマンスであった。

 お互いなかなかチャンスを作れず決定機が少ない試合となったが、その分スペースを消すプレスバック、ルーズボールへの反応の速さなど守備の部分に関して高いレベルを見せた両チーム。あとはこれからのリーグ戦で、試合後両監督の口から出た「冷静さ」を高いインテンシティの中でどれだけ発揮できるか。これからの進化が楽しみな両チームである。

(文・写真=髙森詠人)