FW磯ヶ谷佳心(右)は3点目を奪った(写真=佐藤亮太)

 大熊裕司監督が意識する「強度とテンポ」が90分間落ちず、高水準でプレーできたことにある。

 守備では速く、しつこくプレスを相手にかけ、ボールを奪取し味方につなげる。時に長いスルーパスが出ても、ここぞのところでパスを通さず、何度も遮断するなど危機察知能力の高さが表現された。

 攻撃では4点中、2点は相手のミスからのショートカウンター。決して見逃さず、さらに3点、4点と最後まで手を緩めなかった。

 また強度はメンタルにもあるようだ。

 6節・市立船橋戦で7-0の完勝を収め、迎えた今節。完勝のあとは得てして自信が過信になりがちだが、そうした気持ちの緩みは一切なかった。

 スキを作らず、スキを突く。

 これが横浜FMユースの強さのひとつ。

 選手のなかにはすでにエリートリーグやトップチームの練習に参加しており、「強度とテンポ」を高いレベルで体感していることから、スキのなさが備わっているといえる。

 「トップチームでは少しでもスキを見せればやられてしまう。自分たちのサッカーを90分間でどのように表現できるか。相手ではなく、あくまで自分たち」と大熊監督。

 今節終了し横浜FMユースは5勝2敗で勝点「15」の暫定2位。リーグ最多の26得点を誇り、失点「8」はリーグ4番目の少なさ。

 この数字から横浜FMユースの「スキのなさ」が伝わってくる。

(文・写真=佐藤亮太)

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