守り切れそうで守れない。ゴールが決まりそうで決まらない。U-18日本代表候補が仙台大とドロー

MF中村仁郎(ガンバ大阪ユース)

 守り切れそうで守れない。ゴールが決まりそうで決まらない。2日前のいわき戦(3-0)で露呈したフィジカルで勝る相手との戦い方を改善できず、最後の攻防でも課題を残した。

 2年後のU-20ワールドカップをターゲットにするU-18日本代表が福島県内で今年3度目の活動を行い、合宿5日目となる8月28日に仙台大と45分×3本でトレーニングマッチを実施した。

「初めはフィジカルのところでびっくりしているところがあったので、もう少し基準をあげないといけない」(船越優蔵監督)

 仙台大戦のポイントはフィジカル面に特徴を持つチームといかに戦っていくか。いわきFC戦の反省点を踏まえた上でキックオフを迎えたなかで、序盤から球際で競り負けてしまう。いわき戦と比べ、押し込まれる時間が減ったのは間違いない。しかし、五分五分のボールはほとんど相手に奪われ、ショートカウンターで局面を打開されるパターンが散見。ひと世代上のU-20日本代表でプレーした経験を持つチェイス・アンリ(3年/尚志)と田中隼人(3年/柏U-18)がCBの位置で何とか跳ね返すが、そこからボールをなかなか繋げなかった。また、マイボールにしてもなかなか良い形で前にボールが入らない。スペースに抜ける動きが乏しく、その場で受けるパスが多くなった。決定機と呼べたのは、前半開始早々にCKからFW千葉寛太(3年/清水ユース)が放ったバー直撃のヘディングシュートのみ。何度かMF永長鷹虎(3年/興國)や山崎太新(3年/横浜FCユース)個人技からゴール前に入る場面があったが、相手を慌てさせるシーンはほとんどなかった。

 自分たちのペースで試合を運べずにいると、前半終了間際の42分に失点。ショートカウンターで右サイドを打開され、最後は武部洸佑(大4)にクロスを押し込まれた。

U-18日本代表候補 vs 仙台大学

 リードを許した後半。日本はGK西村遥己(3年/昌平)とMF中村仁郎(3年/G大阪ユース)を投入するが、流れを変えられない。2トップの千葉と坂本一彩(3年/G大阪U-18)までボールが入らず、中盤でボールを失ってショートカウンターを浴びる場面が目立った。

 後半20分過ぎの飲水タイムで日本は西村と中村以外のメンバーを交代。相手も同じタイミングで半数の選手を入れ替えた中で、徐々に攻撃の形を作っていく。右サイドに入ったMF甲田英將(3年/名古屋U-18)らがボールを前に運べるようになり、ゴール前でシュートを放つ回数が増えた。得点を奪えなかったが、3本目はさらに攻撃のテンポがアップ。オープンなゲームになったこともあり、スペースに運んでそこから個人のアイデアやコンビネーションで局面を打開する場面が多くなる。そして、迎えた3本目の8分。ボランチの豊田が右サイドを駆け上がり、ゴール前にクロスを入れる。ファーサイドに走り込んだ中村が得意の左足で決めて同点に追い付いた。

 以降も前にボールを運び、決定機を作り出す。11分には中村のスルーパスからFW福田師王(2年/神村学園)がシュートを放つ。終盤にも溝口修平(3年/鹿島ユース)の左クロスに福田が合わせるが、枠を捉え切れない。最後までゴールを目指したものの、決め切れずに無得点。船越監督が指摘した課題を克服できず、今合宿最後のトレーニングマッチは1-1の引き分けで終わった。