最後まで攻守が噛み合わなかったU-16日本代表候補が尚志に完敗

U-16日本代表候補vs尚志(写真=松尾祐希)

 10月8日、U-16日本代表候補が尚志と45分×2本のトレーニングマッチを行い、1-5で敗れた。

 今年4回目の活動となるU-16日本代表候補は2028年のロサンゼルス五輪を最上級生として迎える世代。コロナ禍で海外遠征が行えていないなか、国内合宿を中心に強化を進めていたが、今回のトレーニングマッチは厳しい結果となった。

 トップチームのサブ組で挑んできた相手に対し、序盤から苦戦。ボールをうまく繋げず、ビルドアップが思うようにできない。中盤に良い形でパスが入らず、ボールをロストする場面も散見。11分ごとに選手を入れ替えながら戦ったものの、フィジカルでも相手に圧倒され、ショートカウンターや遅攻を織り交ぜる相手の攻撃に耐える時間が続いた。中盤以降もサイドハーフのMF堺屋佳介(鳥栖/1年)や堀川大夢(流経大柏/2年)にボールが入らない。すると、37分に左サイドを崩され、最後は小池悠斗(3年)に先制点を決められた。

 後半頭から全選手を入れ替えたが、Bチーム主体のメンバーに切り替えてきた相手にいきなり崩される。開始早々の1分にシュートのこぼれ球を津久井二湖(2年)に押し込まれた。その後はボランチの矢田龍之介(1FC川越水上公園/中3)を起点にFW石井久継(湘南U-18/1年)やFW貴田遼河(名古屋U-18/1年)らがチャンスを作る場面が増加。単独突破やコンビネーションプレーからシュートを放つ場面もあり、徐々にペースを取り戻していく。しかし、30分にショートカウンターから田中然(3年)にゴールを許し、0-3とされた。

 直後に早川隼平(浦和ユース/1年)のミドルシュートで1点を返したが、終了間際に再び田中にゴールを決められてしまう。最後まで攻守が噛み合わなかったU-16日本代表は合宿最終日のトレーニングマッチを勝利で飾れなかった。

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U-16日本代表候補vs尚志(写真=松尾祐希)

 試合後、森山佳郎監督は課題を口にし、「最初の2点はボールに行き切れず、周りも押し上げられずに失点した。行ってやられたのではなく、行かずにやられたので嫌な失点。後半もいきなり失点した」と、失点を重ねた戦いぶりに唇を噛んだ。

 その戦いぶりに森山監督は試合後の選手たちに「合格ラインに達した選手は誰もいない」という言葉を投げ掛け、さらなる奮起を促した。ただ、なんとかしようという想いが見えた点は今後に繋がる。

 「あの3失点は『俺が決める』という想いが強く出過ぎた結果かもしれない。この年代はそれで良いのかもしれない。この前の試合を踏まえて、『この尚志戦で誰が痕跡を残すのか』という形でかなり煽ったのでその影響はあるかもしれない。ポジティブに言えば、ゴールに向かっていく姿勢はあったし、最後はかなり距離感が良くなってコンビネーションも出るようになった。幅が狭かったけど、3、4人絡んでシュートが決まるかもしれないというところまではいけたと思う」

 気持ちとプレーがうまく噛み合わなかった今回の活動。限られた代表活動の中で得たものをクラブに戻って、選手たちがどのように生かしていくのか。ここからさらなる成長がなければ、上のステージに生き残っていくことは不可能に近い。今合宿で味わった悔しさを糧に、選手たちがどのように変化していくのか注目だ。

 (文・写真=松尾祐希)