U-16日本代表候補が仙台育英と明秀日立とTM 守備陣の奮起があった一方で課題として残ったのが攻撃面

U-16日本代表候補vs仙台育英(写真=松尾祐希)

 10月7日、福島県内で合宿を行っているU-16日本代表候補がトレーニングマッチを行なった。今年4度目の活動となるなかで、今回は選手たちを2チームに分けてそれぞれゲームを実施。郡司璃来(1年/市立船橋)にゴールが生まれた1試合目の仙台育英戦は2-0で勝ち切り、明秀日立との2試合目はセットプレーの守備に課題を残して2-3で敗戦した。

 8日にオンラインで取材に対応した森山佳郎監督は今回の活動と練習試合を振り返り、守備の部分で成長の跡があったと話す。

 「8日はフィジカルトレーニングをして、東日本大震災について勉強する時間を取ったので、昨日の試合の振り返りとフィードバックは夕方に行うつもりです。初日のトレーニングも半分以上が試合明けなのでほとんどできず、2日目の2部練習で色々落とし込もうとしていました。なかなかいっぺんに詰め込んでも、付け焼き刃になってしまう難しさがあり、ゲームで期待しても狙いとするところがなかなか出てくれない部分もありました。その中で前回の活動で課題として現れた守備の意識付けを今回は行いましたが、そこは少しだけ改善したと思います。特に明秀日立戦はフィジカルを生かしたハイプレスに苦戦してまともにボールを動かせない時間もありましたが、守備は頑張ってくれました。(1試合目は無失点で2試合目の失点も)ミス絡みのゴールと2つのセットプレー。流れの中から崩されなかった点は前回よりも前進したのではないでしょうか」

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 守備陣の奮起があった一方で課題として残ったのが攻撃面だ。森山監督は言う。

 「攻撃はまだまだ。映像でも確認しましたが、“止める”、“蹴る”、“判断”の部分はすぐに改善されるわけではないけど、少しでも課題として所属クラブに持って帰って取り組まないといけない。そうした宿題とは別に、代表活動中に細かいポジショニングや立ち位置を整理できるので、そこは取り組んでいきたいですね」

 実際に仙台育英戦でゴールを挙げた郡司に対しても得点を奪うプレーに関しては評価をした一方で、取り組むべき課題があるとした。

 「結果としては良い形で抜け出してゴールを決めてくれたし、得点までの流れを見ても良い形だったので良かったと思う。まだまだプレーとしてできることが少ないけど、数字として結果を残す部分は素晴らしい。僕が視察に行った試合でもゴールをそこそこ決めていたので、得点力は彼が持っている特徴。ただ、プラスアルファでできることを増やして、判断材料を含めてプレーのバリエーションを増やしながらやってもらいたいので、さらに修行をしてほしい」

 U-16世代は2028年のロサンゼルス五輪の最年長組にあたる。しかし、コロナ禍の影響で海外遠征を一度も行えておらず、国内合宿で強化を進めていくしかない。経験不足を補うためにもひとつひとつの活動や練習試合が重要な意味を持つ。簡単な作業ではないが、選手たちはさらなる成長のために代表活動を通じて出た課題と向き合っていく。

 (文・写真=松尾祐希)