鹿島学園 vs 高松商(写真=森田将義)

 ハーフタイムに鈴木監督は「後半に関して中盤のアップダウン、奪取率、切り替えの所のインテンシティを上げていこうと伝えました」と指示。その結果、後半に入り中盤でボールが落ち着くようになり、クロスやシュートのチャンスが増えた。また、先制点同様、試合前から「高松商業さんは守備が堅くて、ゴール前にがっちりしっかりとゴール前に人数がいた。身体を張って守ってくるチームだったので、少し遠目から打とうと伝えていた」事も奏功する。後半立ち上がりの45分には左サイドを仕掛けた上野が中央に展開。PAから少し下がって、パスを受けた11番FW松村尚樹が鋭いターンで前を向くと、相手の守備陣が寄せる前にシュート。1点目同様、積極的に狙ったミドルシュートが決まり、2点差とした。

 リードを広げられた高松商業にとって、2失点目は想定外。川原寅之亮監督はこう振り返る。「力関係で押し込まれる時間帯もありましたが、守備での粘り強さと切り替えの速さに慣れて、後半に入れたらと思っていた。1失点はあまり気にしてなくて、それ以上に後半に入ってから得点を獲るためにボールをしっかり中盤で動かすのが鍵だと思っていた」。後半はシステムを相手に合わせ、攻撃モードにシフトチェンジ。切り札として温存していた14番MF鍋島愛翔らを投入し、反撃の機会を伺ったが、「相手の圧力になかなかボールを動かせなかった」(川原監督)。79分には鍋島のパスから、11番FW鈴木康生が放ったシュートもDFに阻まれ、鹿島学園が2-0で勝利した。

(文・写真=森田将義)

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