敗れた大手前高松の川上暢之監督は「寄せの早さ、力の使い方、セカンドプレーの予測や判断など、細かいところだか今の自分たちに足りないものがはっきりした」と語った。さらに「例えばクリアで慌ててしまって(前に蹴れずに)スローインになったりしたが、相手はパワーがある。香川県内では頑張って走るチームはあるが、このレベルのフィジカルがあるチームはいない。そんな相手と(フィジカル面で)やり続けるのは、うちでは限界がありました」と言葉を続けている。3-4-2-1でスタートし、前半途中で4-2-3-1へ布陣を変えてサイドで起点を作ろうとするなど手は打ったが、それでも攻撃の構築には最後まで苦労していた。DF八十嶋一斗も「相手のロングボールに対するチャレンジ&カバーや全体のコンパクトを維持することについては試合前から話し合っていたけれど、こぼれ球からミドルシュートを打たれるところをケアしきれませんでした」と守備面について振り返り、攻撃面でも「中盤との距離感が広がってボールを奪ってからも、ボールを落ち着かせるところを見つけられずに焦って蹴ってしまった。そうなると身長の高い相手が有利になる」と話している。残念ながら2回戦で敗退となったが、初出場での初戦突破は貴重な財産となるだろう。キャプテンの片上は「後輩たちは自分たちのカラーを持って欲しい。今年の結果やスタイルに捉われず、次の代の良さを出して欲しいです」と後輩たちへエールを送った。

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▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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