後半アディショナルタイムに劇的な決勝ゴールが生まれる

劇的弾を決めた東福岡DF竹内良(写真=矢島公彦)

 後半はFW13番西村颯人に変わってFW10番の大森椋平を投入した作陽。開始早々から2トップの一角、FW11番の美濃祥真がシュートを放つなど、積極性にゴールを狙う。酒井貴政監督の「粘り強く勝利をもぎ取ってほしい」という言葉の通り、勝利を狙う姿勢がプレーからも伝わってくる。

 選手権で輝かしい実績のある両チームだけに、プレーする選手同士にも意志の疎通が図られ、攻守が目まぐるしく変わるレベルの高い試合は予想通りの接戦に。均衡したゲームは、後半18分過ぎ、東福岡がセットプレーから勝ち越し点を狙うもゴールならず。ボールを支配する東福岡が押し気味にゲームを進める。

 後半30分過ぎにエースFW日高に替えてMF8番の岩井啄朗を投入し、勝ち越しを狙う東福岡は、後半33分過ぎにセットプレーからMF6番佐藤聡史が左足でFKを狙うもGK徳本の正面に。

 すると直後の後半34分過ぎ、作陽にビッグチャンスが訪れる。ペナルティエリアに進出した7番中島理慶に東福岡DF5番左座佑眞島の足がかかり、作陽がPKを獲得。自らキッカーとなった中島のシュートはポストに嫌われノーゴール。惜しくも勝ち越しはならなかった。

 このままPK戦に突入かと思われた後半アディショナルタイム、東福岡に勝ち越しゴールが生まれる。ゴール前の混戦からこぼれたボールに、この試合のゲーム後半途中に投入された東福岡DFの12番竹内良が頭で合わせると、ボールはキーパーの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。土壇場で決勝ゴールを奪った東福岡が劇的な形で3回戦進出を決めた。

(写真=矢島公彦)

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権