対する「4-1-4-1」システムの滝川第二は、GKが1多田健司(3年)。4バックは右から20杉本翔太朗(3年)、4黒田蒼介(3年)、3島田爽吾(3年)、5石原巨雅(3年)。中盤はアンカーに6倉内晴久(3年)、その前に右から2黒井海舟(3年)、8神谷友騰(2年)、キャプテンの10藤田仁朗(3年)、11田中璃亜夢(3年)。ワントップは9相原禎汰(3年)となった。
前半を支配したのは風上に立った仙台育英だった。得点こそならなかったものの、村井、佐藤遼の強靭なフィジカルを活かすべく、島野を起点に安藤、松本の両ワイドがスピードに乗ってサイド突破からの次々とクロスを供給。加えて佐藤遼は11分には左サイドからのカットインで際どいシュートを放つなど、中央だけでなくピッチを縦横無尽に駆け抜ける。
対して黒井、田中のスピードでサイドでは押し込める場面があっても、その次のパスがつながらなかった滝川第二は、40分、藤田の右クロスから相原が際どいヘディングシュート。シュート1本ながら後半に光を見出す展開で前半を折り返した。
滝川第二(写真=オフィシャルサポート)
後半に入ると両チームは前半と異なる攻撃パターンでゴールを狙う。仙台育英が54分、左クロスに右MFの安藤がゴール前に入り込んでシュートを放てば、風上に立った滝川第二も56分、田中の左クロスに黒井が右サイドから入り込みヘディングシュート。試合は徐々に一進一退の様相を呈していく。
その中で輝いたのは……。やはりこの「黄金ホットライン」だった。62分、仙台育英は右サイドに流れた島野が絶妙のクロスを佐藤遼の頭に供給。「前半は枠外ばかりだったので後半、冷静になって枠にボールを撃つことができた」佐藤遼のヘディングシュートは相手GKのジャンプをかすめてゴールに着陸。仙台育英が待望の先制点を奪った。
それでも下を向かず、残り10分を切りさらに同点ゴールを狙い前がかりとなる滝川第二。しかし仙台育英はしたたかだった。75分には左サイドで松本からのパスを受けた島野がグラウンダーのクロス。そこにワンプッシュで詰めたのは佐藤遼。またしても黄金ホットラインが機能し2点目をゲットした仙台育英は、アディショナルタイムに前線に上がっていた滝川第二・島田にゴールを許したものの逃げ切り。2-1で滝川第二を下した仙台育英が、高川学園(山口)の待つ3回戦へと駒を進めた。
試合直後の勝利監督インタビューでは「固いゲームになると思ったのでまずは守備で身体を張ろうといった。3回戦でも同じように堅い守備から速い攻撃で得点を取っていきたい」と試合を振り返り、次への抱負を語った城福敬監督。高川学園とは2年前2回戦で対戦、1-0で勝ったものの終盤まで苦しめられた強敵。仙台育英はそんな因縁の相手に対し、成長した姿を結果と内容で示しにいこうとしている。
(文=寺下友徳 写真=オフィシャルサポート)
▽第100回全国高校サッカー選手権
第100回全国高校サッカー選手権