大西武台 vs 浦和レッドダイヤモンズユース(写真=河野正)

 主将のDF長谷川智紀は「クロスとクロスへの入り方は2本とも大学生クラスで、さすがはレッズと感じましたが、高いレベルを経験しながら対抗できるようにしていきたい」と前向きだった。

 後半の西武台は5分に左FKから松永が惜しく一撃を放ったほか、途中出場のFW岡響己が4本のシュートを打つなどしていくらか優勢に進めた。しかし相手の堅守を切り崩せず、シュート数で上回りながらも惜敗した。

 守屋監督は逆転負けにも消沈せず、むしろ格上のリーグ戦で戦える喜びと収穫を口にした。

 「レッズと同じ舞台で戦うことを望んでいただけに、実現してうれしいですね。しかも引いた戦い方ではなく、最初から得点する気持ちで前に前にと行ってくれて良かった。正直3失点は覚悟していたが、よく粘ってくれて2失点で済んだ上、先制できたことは次につながります」

 敵将・池田伸康監督は、東京・帝京高校の10学年後輩でもあり、やはりこのあたりは意識したそうだ。それは勝ち負けではなく、両チームの関係に喜びを感じるという。守屋監督の教え子は、田畑昭宏らがプロとして浦和に3人加入したし、浦和ジュニアユースの選手も西武台に何人も入部しているのだ。

 まだ始まったばかりのチームづくりについて指揮官は、「これからどの子が伸びてくるのか、今のチームは去年以上に面白みがあります。プリンスリーグでどんどん成長を促していきたい」と述べた。

 中学1年の弟、武士が浦和レッズジュニアユースでプレーする和田は「90分は長かった。相手は90分の試合に慣れているから徐々に主導権を握られてしまった。チームとしては試合時間に早く慣れ、個人としては背番号10らしい活躍をしていきたいですね」と意気込みを示した。

 西武台は昨季の高円宮杯 JFA U-18埼玉県S1リーグを無敗で制し、昨年12月のプリンスリーグ関東1部参入戦を勝ち上がって17年ぶりの1部昇格を果たした。11年は関東2部の所属だった。   

(文・写真=河野正)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2022 関東1部
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