トライ&エラーを繰り返しながら、自分たちで局面を打開した静岡学園が高川学園を下し3回戦進出
歓喜の静岡学園イレブン(写真=松尾祐希)
トライ&エラーを繰り返しながら、自分たちのスタイルで勝利を手繰り寄せた。
8月16日、全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会の3日目が行われ、静岡学園は2回戦で高川学園と対戦した。
初戦で仙台育英を3-1で下した静岡学園は序盤からボールを支配し、攻撃を仕掛けていく。しかし、この日は相手のハイプレスに苦戦。高い位置からプレッシャーを掛けられると、中盤から前にボールを運べない。消極的なプレーも目立ち、思うようなプレーができなかった。その状況をピッチ脇から見ていた川口修監督はこう話す。
「選手たちはボールを失いたくないから、後ろに繋ぐ。セーフティーにやっているつもりでも、相手からプレッシャーを受けている状況に変わりはない。でも、そこで前に付ければ、チームはガラッと変わる。こういう試合を経験することで選手たちの身体に染み付く。スタッフから言うのではなく、自分たちで感じないといけない」
指揮官は選手の成長を促すべく、前半の状況を静観。選手たちに敢えてうまくいかない状況を経験させ、自分たちで打開することを求めた。
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インターハイ2回戦 高川学園 vs 静岡学園(写真=松尾祐希)
ストレスが掛かる状況が続いた中で、終了間際の33分にDF野村海翔(3年)の左CKからCB行徳瑛(2年)がヘディングで先制ゴールを奪う。これで気持ちが楽になると、迎えた後半は本来の良さを発揮する。
前半同様に最終ラインからボールを動かすと、玄理吾(3年)、菊池柊哉(3年)のダブルボランチと三宅優翔(3年)、行徳のCBコンビがタイミングの良い縦パスを前線につける。これで攻撃のスイッチが入ると、古川陽介(3年)と川谷凪(3年)の両翼がドリブルで局面を打開していく。選手の距離感も良くなり、コンビネーションで崩す場面も増加。テンポの良い攻撃で相手を押し込んだ。
追加点こそ奪えなかったが、相手を圧倒。何度かあったピンチも粘り強く対応し、終了間際にあった危機もキャプテンのGK生嶋健太郎(3年)が凌いで得点を許さない。その直後に古川の突破から、FW持山匡佑(3年)がネットを揺らして勝負あり。自分たちで局面を打開した静岡学園が3回戦進出を決めた。
(文・写真=松尾祐希)
▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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