日本文理 vs 大津

 後半は相手が4バックから3バックに変更して反撃を試みてきたが、相手の攻撃を受け止めながらサイド攻撃を主体に追加点を狙いにいく。62分、左SB田辺幸久(2年)がシュートを放つと、キャプテン・FW小林俊瑛(3年)が左足でコースを変えてリードを広げた。その後は選手を変えながら、ゲームを終わらせに掛かる。アディショナルタイムにはPKを獲得し、MF岩崎大翔(3年)が勝負を決定付ける3点目を奪って勝負あり。大津が昨年度の準々決勝で敗れた前橋育英にリベンジする権利を手にした。

 試合後、山城朋大監督は選手たちの成長ぶりを称賛。「少しうまくいかなくても、どこを押さえれば大丈夫という声かけが自然とできるようになった。浜松開誠館との初戦では2 、3点入れられていれば、試合が終わっていたかもしれない。その中で厳しい状況に耐えれるようになってきたと思う。それはプレミアリーグを通し、そういった経験を踏まえて戦えているからこそ。接戦をモノにできるようになったのはそれが要因」とし、1年を通じてハイレベルな戦いを味わった経験値が今に生きていると話す。ただ、次の相手は前橋育英。夏のインターハイ王者で総合力は今大会屈指のレベルで、選手層も2チーム分作れるほど分厚いチームだ。昨季は準々決勝で対戦し、1-0で勝利を挙げたとはいえ、厳しいゲームになるのは間違いない。しかも、次戦は中盤の要・浅野が累積警告で出場停止。日本文理戦を負傷欠場した井伊虎太郎(3年)もピッチに立てるかも不透明な状況だ。「システム変更も考えていかないといけない」と指揮官の言葉通り、台所事情は苦しいが、負けるわけにはいかない。総力戦で夏の王者を撃破し、国立の舞台に戻れるか。“公立の雄”が逆境を跳ね返し、勝利を掴めるか注目だ。

(文・写真=松尾祐希)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権