ゴール前の競り合い(写真=藤原裕久)

 後半に入りラインを高く押し上げて同点を狙う徳島だが、尚志もGK鮎澤太陽、CB山田一景らがクレバーに対応し失点を許さず。ならばと徳島は1年生FW鈴木悠哉を投入してスピードアップをはかるが、守勢の時間帯も手堅く守った尚志は後半70分に再び網代がゴールを決めて2-0。73分にも岡野楽央の追加点で3点差として試合を終了。歴代最強の攻撃力を存分に披露した尚志が2回戦へ進出した。

 「打ち合いをしようとすれば、精度や個で差が出るもの。少し甘かった」

 試合後、敗れた徳島の河野博幸監督は、そう振り返って肩を落としたが、徳島も随所で粘りと縦の推進力を発揮し、「徳島ブルー」の底力は示していた。だが、初戦特有の緊張感の中でも攻撃の圧力で徳島を押し下げた尚志の攻撃力が1ランク上だったということだろう。一方、尚志の仲村浩二監督は「1年かけて攻撃サッカーをやってきたのでうれしい。何年も悔しい思いをしてきて、負けても点を取るぞと言い続けてきた。取られても取り返すチームとしてやっていきたい」と語り、攻撃サッカーでの勝ち上がりに自信を深めているようだった。

(文・写真=藤原裕久)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権