日体大柏のFWオウイエ・ウイリアムは両チーム最多の6本のシュートを放った(写真=多田哲平)

 開口一番「疲れました」と安堵の表情を見せた東山の福重良一監督は「PKは1本外してしまっても、まだチャンスがあるので、ちゃんとGKが1本決める、そして他の選手がブレることなく決めるだけのこと。その練習をちゃんとしてきた」とPK戦が練習の賜物であったことを明かした。ただし「結果以外は反省だらけ」と苦言も忘れなかった。

 かたや日体大柏は敗れたものの、チャンスはより多く作っていた。シュート数は東山の6本に対し11本だ。4枚の強力アタッカー以外にも、個性が光った。右SBのDF2寺村啓志(3年)は果敢なオーバーラップで攻撃に厚みをもたらし、MF7相原大翔(3年)は丁寧なパスで攻撃のリズムを作った。DF5柴田光琉(3年)とDF3小金谷悠太(3年)のCBコンビは粘り強さを発揮した。

 根引謙介監督は「チャンスも多く作りましたし、決め切るところを決め切ればという話になりますけど、そこは東山さんも粘り強く守られた」と悔やんだ一方で、「PK戦は仕方ない。本当に選手たちがよく頑張ってくれましたし、ひとつ勝つごとに新しい扉を開いてくれた」と選手を称えた。初の選手権挑戦ながらベスト16入りは誇っていい成績だ。指揮官は「この日体大柏の新しい基準になっていくと話をしたし、胸を張って来年頑張っていきたい」と今後を見据えた。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権
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