後半に入ってからは攻撃の課題を修正した市立船橋の見せ場が続いた。後半14分にはPA手前でFKを獲得し、郡司が直接狙ったが、シュートはわずかに枠を逸れた。終盤に近付くと、「イチフナに勝とうと思ったら走るしかない。やっぱり夏のイチフナですからね。それに負けないようにと思っていた」と小阪監督が振り返る丸岡が走力で元気を取り戻す。奪ったら素早くロングボールを小関と10番FW伊藤大貴に展開。後方から2人を追い越す動きも増えていく。1番GKドゥーリー大河が「丸岡は蹴られた後にDFラインが下がってしまって、ライン間を使われてしまった」が悔やんだように市立船橋は苦しい時間が続く。

 すると、同34分には丸岡が左サイドでスローインを獲得。ロングスローを警戒した市立船橋に対し、短いボールを選択。相手の逆を突いて上げたクロスはファーに流れたが、折り返しを伊藤がボレーで合わせた。待望の先制点が生まれると、あとは残りわずかな時間を逃げ切るだけ。時間を上手く使い、1-0で勝利した。「今日は絶対に2点獲るのは無理だと思っていました。最初にダブルタッチでキュキュッと行かれた時はやられたと思ったけど、頑張ってくれた。先に早く点が獲れていたら、やられていたと思う。時間帯も良かった。でも、そこまでよく踏ん張ったと思います」と小阪監督は口にした。

 一方、市立船橋の波多秀吾監督はこう話す。「立ち上がりから選手が思っていた以上に動けなかった。キレがなかった。暑さの問題なのか、連戦の影響か分かりませんが、久々のインターハイかつ暑い中での連戦による影響はあったと思う。今まで代々受け継がれている物がパタンと切れてしまったような形で臨んだ所があった。炎天下の中での連戦という厳しさを、思い知らされた感じですね」。理想的な試合運びを披露した丸岡の快進撃が、3回戦でも続くか注目だ。

(文・写真=森田将義)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)