先制ゴールを決めた矢板中央MF長田皐汰(写真=森田将義)

 特に感じるのは、競争力の高さで、この日も積極的な交替策が勝利の原動力になった。序盤は10番FW宮内泉太朗を中心に素早くパス回しを見せた三田学園がゴール前に迫ったが、4番DF畑岡知樹ら守備陣が冷静に対応し、失点を回避。一方で、持ち味である奪ってからの縦に速い攻撃とセットプレーを発揮できる場面は少なかった。だが、2トップをクーリングブレイク後に7番MF高橋海斗と若松に代えてからは、流れが変わり始めた。「今年は良い意味で選手の差があまりない。ベンチの選手も含めて選手層が厚いのは、自分たちの強みでもある。プリンスリーグから色々試す中で、早い段階で交代して活性化しようとやってきた」(6番MF田邉海斗)。

 最初に見せたのは、若松。前半32分には左サイドからクロスを上げて、14番MF長田皐汰の先制点をお膳立てした。35+5分には、5番DF木村匠斗が上げたロングスローをゴール前で競り合うと、こぼれ球をファーの高橋海が押し込み、2点目に。交替で入った2人の活躍により、矢板中央が2点リードで試合を折り返した。後半に入ってからも交替枠をフル活用し、攻撃を活性化し続けた矢板中央は後半6分にも若松がゴール。以降も9番MF柏木康介らが積極的な仕掛けを披露し続けた。

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