九州国際大付も湘南工大附ゴールを脅かしたが……(写真=多田哲平)
九州国際大付にとっての不覚の失点は、湘南工大附にとって勢いに乗る得点だった。それ以降、湘南工大附は明らかに精神的な余裕を得て、持ち前のパスワークを活性化させていくのである。
FW10中山陽輝(2年)を中心にボールを握り続けると、終盤に怒涛のゴールラッシュを見せる。
67分、MF6小島大和(3年)のパスを受けた大木が飛び出てきたGKのタイミングを外して見事にゴールに蹴りこむと、さらに小島はその1分後には、MF14村岡遊(3年)からボールを預かり、同じような局面で今度はループシュートでゴールネットを揺すってみせた。
大木のハットトリックでリードを3点に広げた湘南工大附は、後半アディショナルタイムの70+1分にもFW7横山翔太(3年)のゴールで4点目を奪った。後半のシュート数は7(湘南工大附):0(九州国際大付)。後半開始早々の先制点をきっかけに、まったく違う展開を見せる試合だった。
湘南工大附の室井雅志監督は「前半はビルドアップも全然上手くいかなくて、逆にカウンターを食らって押し込まれていた。後半あそこで大木が先制点を取ってくれたのは、みんなにものすごく勇気を与えたし、そこから彼らの顔も声も変わった」と振り返る。
見事に形成を逆転して勝利を掴んだ湘南工大附は、翌日の3回戦に進出。履正社(大阪)と対戦する。
(文・写真=多田哲平)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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