武蔵の攻撃を引っ張るテクニシャンだ(写真=多田哲平)

――サッカーを続けてきて、勉強にプラスになったこと。またはその逆で、勉強を頑張っているからこそサッカーに活きていると感じることはありますか?

 ひとつのことをとことん追求する意識は養えているんじゃないかなと思いますね。サッカーは好きだから、上手くいかなかったら何十回、何百回と繰り返して練習してできるようにします。そういうのが最近は勉強に活きてきたと実感する場面は多いです。すぐに目に見えるような成果は出ませんけど、根気強くやれるようになってきました。あとはサッカーは団体スポーツだからコミュニケーションが上手く図れないと、チームは回らないので、そういう言語化能力については勉強が活きているかなと思います。

――心理的にもサッカーをやっているからこそ、勉強も頑張れるところはありますか?

 僕の性格を考えると、部活を辞めたとしてもさほど勉強時間は変わらない気がするんです。時間が限られているからこそ、サッカーの練習が終わった後は、絶対に勉強をやらないといけない。その気持ちの切り替えがあるから時間を作れているんだろうなと。サッカーを辞めたら、家に帰っても「とりあえずまだいいや」って勉強をしない自分が容易に想像できるんです……。そうならないのは、やっぱりサッカーをやっているからかなって。やっぱり僕はサッカーが好きなので、ボールを蹴っている時間が息抜きの時間でもあるかもしれないですね。

――素晴らしいですね。時間が有限であることを強く意識しているんですね。

 高校生活の残り1年というのは、そんなに長くないなという感覚ですね。焦りとまではいかないですけど、受験についてもサッカーについても、のんびりしている余裕はないなと。

第2回へ続く

(文・写真=多田哲平)