渋谷幕張で今年10番を背負う(写真=多田哲平)
――今の課題はなんですか?
部活で良いプレーができなかったり、怒られたり、疲れが溜まったり、一方の勉強ではテストの点数が悪かったりする。そういう時に引きずってしまうことが多いんです。早く頭を切り替えないと無駄な時間ができてしまうのは分かっているんですが……。勉強する時には一度部活のことは忘れる、部活の時には勉強のことは忘れる。そういうメリハリをつけてやれるようにしたいです。
――サッカーで上手くいかなかった時は勉強に身が入らないと。
まったく入らないですね。次の練習で取り返さなきゃいけないので、その時はもう早く寝ます。だから勉強だけしかやらない時期はないですけど、部活だけしかやらない時期はできてしまいますね。どちらかと言うと今はまだサッカーにかける比重のほうが大きいです。
――でもサッカーをやっているから勉強に活きていることもあるのでは。
そうですね。限られている時間でいかに集中できるかですね。強豪校みたいに何時間も朝から晩まで練習できるわけじゃないから短い時間で集中してやるのが一番大事。それは勉強でもそうなのかなと。
――サッカーを続けた経験が将来に活きると思いますか?
はい。高校サッカーの練習って本当にきついと思います。それを3年間やってきたから我慢強くなったり、社会に出てもやり切るところで頑張れるんじゃないかなと。これ以上辛い経験はないと思うんです。
――それを今意識しながら生活できているのは凄いことです。
常に意識しているわけでないですけど、辛い時に、「今これを乗り越えよう。社会に出たらミスしたら走らされるわけじゃないし」みたいな、そういうのを想像したりしますね(笑)。
でも最高学年になってからはすごくサッカーが楽しくなってきました。1年生の時に2部を戦っていた時から、昨年は3部に落ちてしまったけど、また今年昇格できて手応えがあります。
――このサッカー部には、全員が勉強もやろうという雰囲気があると先生は言っていました。実際にやっていて感じますか?
部活が忙しいからこそ勉強を集中してやらなきゃいけないという空気感は伝統的にありますね。先輩にもいろんな人がいます。部活を引退した10月、11月くらいから勉強を頑張って伸びた人、常にA判定を取る続けてそのまま合格した人、現役ではないけど次の年に受かった人。でも結局みんな志望校に合格しているんですよね。そういうのを見ると僕らもやらなきゃという気になるし、それはサッカー部で頑張ったからこそ受かれるんじゃないかなとも思います。