指導するうえで集中力を重視する(写真=多田哲平)
――勉強についても生徒たちが「集中力」を意識している印象はありますか?
もちろん年代や個人によりますけど、全体的には意識している子が多いように思いますね。特に今の高2の代は、勉強もしっかりやらなきゃと感じている子は多いなと。中学サッカー部に入部するタイミングで大西先生が「この学校に入った以上は、まず勉強をしなければいけない。君たちはサッカーが好きだろう。じゃあ、好きなことを続けるためにもしっかり勉強をやっておけよ」と言うんですが、そういうことをすり込まれてきた子たちなので、勉強が足を引っ張らないようにという考えがあるんでしょうね。
――勉強を頑張るからこそサッカーに活きることは、どんなものがあると先生は考えていますか?
賢いことってサッカーにおいて大きな武器だと思うんです。当たり前ですが、その賢さを養えることの一つが勉強。相手がこう動いてきたらこうなるだろうと、数学的な思考が培えるし、芸術科目をやることで、いろんなアイデアや自由な発想が生まれてくる。そして国語をやれば理解力が高まり、人から要求されたものをより高い水準で具現化できる。
ポジショナルプレーや5レーンなど、現代サッカーはより理論的に発展していますから、そういう意味でサッカーを知るには、賢さは必須。だから勉強ができたほうが絶対的にサッカーに活かせるはずなんです。
あと、武蔵の生徒を見ていて一番感じるのは、勉強をすることで、なにより集中力が高まる。単なる詰め込みの暗記科目も、サッカーとは関係ないように見えて、すごく集中力が養えるんです。