――中学時代の所属で、中体連とクラブの比率はどんなものですか?

 圧倒的に中体連が多いのですが、高校での3年間でどれだけ伸びるか、私たちがどうやって彼らに刺激を与えられるかが勝負になると思います。「あれやれ、これやれ」と要求もしますが、それだけでは成長は見込めません。プラスアルファが重要になります。勉強は指示されなくてもやる子ばかりですから、部活動でもそうあってほしいですね。ただうちは試合に勝ちたい、もっとうまくなりたいと思っている生徒ばかりではなく、高校でサッカーを辞める生徒が大半なんですよ。

――もったいないですね。大学ではスポーツとは無縁ですか?

 アメフトやラクロス、アイスホッケーなどに転向する選手もいます。これだけサッカーを頑張ってきたのだから続けたらいいと思うのですが、こだわりがないんですね。OBの話を聞いてもいろんな個性がにじみ出るので、一方では楽しい側面もあります。

――現在ソッカー部に所属する卒業生はいますか?

 4年生が6人で、1、2年生が各1人の計8人です。現4年生が高校3年の時はすごくいいチームで勝負の年でしたが、新型コロナウイルス感染拡大のため公式戦は全国高校選手権予選しかなく、サッカーの欲求が満たされなかった。これが大学で6人もプレーしている背景だと考えられます。香山(達明)は、関東大学リーグ2部で得点ランク6位タイ、チームでは2番目に多いゴールを挙げています。

【次のページ】 慶應志木高校 山中智之監督「文武両道を実現する上で大切なことは...」【文蹴両道】(3)