川和高校岡野亘監督(写真=佐藤亮太)
―――1週間はどんなスケジュールですか?
土曜に試合がある場合、月曜日はオフ。火曜日は少しコンディションをあげるので、ゲーム中心。5対5、8対8などありますが、フルコートであれば11対11のゲームをします。水曜日と木曜日は試合にむけ細かい部分をトレーニングして、金曜日はセットプレー。そして試合ですね。
一貫して練習で取り入れるのはシュート練習。点が取れないと勝てないので、火・水・木と必ずメニューにいれています。
―――選手には、どのようなアプローチから指導をなさっていますか?
サッカーを教えるというより…まだまだ高校生なので、人としてのところを指導しています。たとえば挨拶にはじまって、学校生活、私生活と。正直、そこしか教えていません。経験上、オン・ザ・ピッチとオフ・ザ・ピッチは絶対につながっていると信じています。たとえば普段から適当な行動をする選手はラストパスも適当ですし、その人の普段が出ます。
僕はプロ野球の野村克也さんの「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」。この言葉が好きで、やはり負けにはなにかしらの理由があります。
勝ちと負けの間にはグレーゾーンがあります。このグレーゾーンは私生活や学校生活、練習態度であり、すべての試合までの工程ですが、グレーゾーンを極力、減らして、サッカーで勝つかサッカーで負けるかにしていこうと選手に伝えました。「学校生活がテキトーだったから、ここで負けたんだ」と思ってほしくないですし、そうした後悔を残させたくないです。
―――私生活とピッチはつながっている、そう思われたキッカケはありますか?
高校時代での経験ですね。神奈川県立旭高校サッカー部にいました。当時、旭高校は関東大会、インターハイともに2次予選に出場していましたが、高校選手権の1次予選ブロック決勝、相手は山手学院でした。この試合は旭が押して、シュート数は25本。いまだに覚えていますが、ポストやバーに当たったのは7回。しかし、山手学院はシュートゼロ。結果は0-0のまま、PK戦で負けました。
実はPKを外してしまった2人はすごくサッカーがうまい選手でした。しかし生活態度が良いとは言えませんでした。当時、チーム内には上手、下手である種のヒエラルキーがありました。僕は試合に出ていたので、彼らにいろいろ言っていましたが、周囲はなかなか意見が言えませんでした。とてもうまい選手たちでしたが、大事な場面でPKを外すんだと。ピッチと普段の生活がつながっている、そう確信した原点かもしれません。