文武両道ではあるが、文武をきっちり切り分けているのも特徴かもしれない。山田武久監督は英語の授業と担任を受け持っているため、「ちゃんと授業を受けていないといった情報がどうしても頭に入って純粋にサッカーだけを評価できない」と苦笑いする。「選手はサッカーがやりたくてこの学校に来てくれている。学校とサッカーが同一視されることが良いこともあれば、悪いこともある。学校生活をちゃんとしなければいけないけど、そこだけに引っ張られるのは可哀そう」。そう続けるようにサッカーを切り分けて見られるよう大久保ヘッドコーチを含め、外部コーチを受け入れているという。

 学校、サッカーの仕組みによって名古屋の選手たちには勉強に取り組む意識が自然と身に付いている。選手権期間中も授業勉強に励む3年生の存在が話題となったが、名古屋の選手にとっては自然なこと。「勉強することが日常なのでメンタルコントロールがしやすかったと思う。高校生は選手権という舞台に浮ついて普段やらないことをしがちな中、勉強をしてからこそ、いつも通りできた」と山田監督は話す。名古屋の取り組みには他校の参考になる部分があるはずだ。         

(文・写真=森田将義)