――現代っ子はAIとかGPSを扱うのはお手のものでしょうね。
そうですね、みんな苦もなく上手に操作しています。
――山口先生が長い間、指導者として大切にしてきたことを教えて下さい。私のモットーですが、サッカー選手である前に高校生であり、人から愛されるのが大前提ということです。社会人になった時の糧になるもの、役立つことを高校3年間で身に付けてもらいたいと思っています。
――チームづくりのベースにあるものはどんなことでしょうか?入学を検討中の親御さんから「西武文理はどんなサッカーをするのですか」とよく聞かれます。サッカーは相手ありきのスポーツなので、自分たちのやりたいことだけをやっていてはうまくいくわけがありません。相手にはこんな特長と強みがあるから、こうやって戦おうと臨機応変にいろんなことに対応できるチームであり、選手でなくてはなりません。
今まではクレーのピッチだったので、ち密にボールを動かすことがなかなかできず、長いボールを入れて厳しくコンタクトし、球際や切り替えの部分で勝負する戦い方が多かったですね。でも昨年4月に人工芝グラウンドが完成したことで、スタイルは変化しました。ただ、つなぐだけでは駄目だと思います。相手の戦法に応じて変えないといけない。最初から最後まで自分たちのサッカーを押し通せるチームというのは、極めて少ないですよね。大半のチームが相手の強みを消しつつ、自分たちの良さをどう発揮するかに腐心しているのですから。