――ここは指導者の腕が試されるところですね。
全国高校選手権県予選で初めてベスト8に入った頃(14年の第93回大会)から、対戦チームのストロングポイントを封じる対策を練る作業がとても楽しくなりました。今でも変幻自在、戦況に応じてたくさんのことができるチームづくりを目標にしています。
――それに向け、ずっと大事にしてきたキーワードのようなものはありますか?心、賢さ、テクニック、スプリント能力の4つです。
――山口さんが影響を受けた指導者はいらっしゃいますか?母校・浦和西高校の恩師、仲西駿策先生です。当時、将来は教員になりたいと先生にお伝えしたら、埼玉大学を勧められたんです。受験の実技テスト前のことでした。私が学校に到着すると、ちょうど先生は岐路に就くところだったのですが、わざわざ戻ってきてくれて柔道や鉄棒などの指導をしてくれたのです。今考えると、当時それほどすごい練習をしていたかどうか分かりませんが、生徒と向き合う人間味をいつも感じていました。厳しくも優しい人。生徒を思う心をなくしてはいけません。それがなくなったら、教師や指導者から身を引く時です。