拓殖大学 玉井朗監督(©拓殖大学麗澤会体育局サッカー部)
関東大学サッカーリーグに所属する拓殖大学サッカー部。コロナ禍という異質な状況下で開催された2020年シーズンは、2部リーグで2位となり、今シーズンは11年ぶりに舞台を1部リーグに移して戦うこととなった。好成績をおさめた昨シーズンについて、玉井朗監督に振り返ってもらった。
ーー日程面など厳しいところもあったかと思いますが、昨シーズンを振り返っていただけますでしょうか?
結果だけを見ると、優勝された流通経済大学さんと勝ち点1差の2位(流通経済大学は勝ち点50)で、3位の関東学院大学さんとは勝ち点13差(関東学院大学はまだ1試合未消化のため暫定)でしたけれど、天候などを含めてコンディションにも恵まれたり、正直、運が良かったかなという試合もありますね。上位で戦える力は備えていたとは思うのですが、他の大学さんと比べても圧倒的な差があるとは思ってもいませんでしたから。
ただ、学生たちは本当に努力していました。運が良かったというより、彼らの努力が運を呼び込んだ、運をつかみ取ったという表現が正しいかも知れません。
ーー「運を呼び込んだ努力」というのはどういったことでしょうか?
まず練習が朝の7時から始まるのですが、皆だいたい朝6時30分には集合しています。朝早くから練習を始めたのは、ウチが先駆けではないかなと思います。ただグラウンドの近くに寮があるというわけでもないですので、家が遠い学生の中には朝の4時に起きて4時30分には家を出るという子もいますから。それを毎日続けるのはそう簡単ではないですよね。当然朝早く起きているのは学生だけでなくコーチも朝早いわけで。トップチームは卒業生の青木智也がコーチをしているのですが、青木はじめスタッフたちも本当に頑張ってくれています。
学生たちは練習の時の態度も素直ですし、真面目です。ウチは基本的に練習は2時間なのですが、練習後時間があれば各々が足りない部分を自主練習で補っていますし、食事(栄養面)の事も勉強しています。睡眠もしっかり取りますし、一日のスケジュールを各自がしっかりデザインしていると思いますね。サッカーにおいては技術と戦術とフィジカルが3本柱だと思うのですが、フィジカルを鍛え、ケアすることは大切です。大学生なんて遊びたい盛りでしょうし、お酒も飲みたいだろうと思いますが、ウチの選手はしっかりと自分をコントロールしていると思います。練習の時に顔を見てみても、すっきりした顔で臨んでいますよね。朝早くからいいコンディションでバチバチと激しい練習をしています。そういった努力も凄いなと思います。
またテクニカルアドバイザーとして元日本代表の柱谷幸一さんが見てくれています。その下のカテゴリーはJリーグなどでも多くのチームを指導している川勝良一さんが見てくれていて。二人とも超一流の指導者なのですが、お金ではなく、若い選手たちにサッカーを教えてあげたい、若い子たちと一緒にサッカーをしたいという思いでアドバイザーを引き受けてくれています。本当に頭が下がる思いです。