(写真提供=流通経済大学サッカー部)
2006年、2008年、2009年と、関東大学サッカーリーグ1部において3度の優勝を果たしている流通経済大学サッカー部。2020年度は2部リーグへ降格したものの、捲土重来を期したシーズンにおいて、圧倒的な攻撃力を誇り見事優勝。再び1部リーグで戦うこととなった今シーズンの目標や、チームのセールスポイントなどについて、中野雄二監督に話をうかがった。
ーー流通経済大学サッカー部のセールスポイントはどういったところでしょうか?
どの指導者もスポーツを通じての人間教育ということを重視されていると思いますが、それを実践するのはなかなか難しいことがあると思います。そんな中で流通経済大学サッカー部は、社会貢献やボランティア活動、地域との向き合い方に力を注いでいます。ウチのサッカー部は全寮制でして、どんなに家が近くても寮に入らなければサッカー部に入れません。といっても厳しい規制などはありませんよ(笑)。で、寮に年3回、献血車に来ていただいて献血に貢献させてもらっています。1回献血すると4か月は献血できないので、年3回にしているんです。いま赤十字の献血率というのがあまり高くなくて、血液はつねに不足している状態だそうです。特に若者の献血離れが顕著らしいんですね。そこで運動部の若くて健康な血液があれば、どれだけの人が助かるかということを考え、部をあげて全面的に協力させてもらっています。他の大学さんにも協力を呼びかけているので、もっと広がってほしいと思っています。
それから依頼があれば障害者の方が入居されている施設に行って、イベントなどの準備を障害者の方と一緒にやらせていただいたり、これも依頼があればですが、小学校や中学校、高校などの試合に審判として選手を派遣しています。審判員の資格は大学1年のときに4級を必修で取らせています。3年になると、その中で素質のある選手を20~30人くらいピックアップして3級審判員の資格を取らせています。
じつは大学のリーグに参加するためには「3級審判員を6人保有しないといけない」というルールがあるんですけど、ウチは1学年で20人以上いますのでまったく問題ありません。その延長上として国際審判員になった岡部拓人というサッカー部OBもいるんです。
要するに流通経済大学サッカー部は、単にサッカー選手を育てるだけでなく、サッカーを通して人を育てることを重視しています。ゴミ拾いをしっかりするとか、礼儀正しく挨拶するとか、とくに地域との在り方などは厳しく、しっかりとやっていると思います。だから学生にとってはサッカー以外のところで少し大変な面もあるかと思います。そういった社会貢献などでの評価を大切にしているところもセールスポイントだと思います。