拓殖大学サッカー部・玉井朗監督(写真提供=拓殖大学サッカー部)

 今シーズンは11年ぶりに関東大学サッカーリーグ1部の舞台で戦うこととなった拓殖大学サッカー部。「ボールをつなぎ、サッカーを楽しみながら全員一丸となって点を取る」というスタイルをベースにしている。拓殖大学サッカー部のセールスポイントや、上手くなるためのアドバイスについて話をうかがった。

ーー玉井監督が選手を指導する際に重視していることなどはありますでしょうか?

 「許す」ということですね。“甘い”などと言われることもあるのですが、大学生といえばまだ未熟な学生ですし、人間ですし、サッカーに限らず様々な場面でミスすることはあるんですね。失敗したことを責めないで、ミスは許してあげることだと思います。ミスした者自身も失敗したことから学習しますので。

 それとサッカー選手としても立派になってほしいですけれど、「いい社会人を育てないといけない」ということも重視しています。他人のために進んで体を動かせる若者を育てたいと思っています。

ーー指導者として尊敬されている方はいらっしゃいますか? その理由も教えてください

 直接指導を受けたことはないのですが、イビチャ・オシム氏や、会ったことはないですけど、ヨハン・クライフ氏とかですね。サッカー観というか「ボールプレイ」という部分でリスペクトできる方です。バルセロナのサッカーを作ったクライフ氏などは尊敬しますね。

 表現するのが難しいんですけれど、例えば(筑波の)大学院の時に夜8時頃から院生や現役有志が体育館に集まってフットサルをやってたりしたんですけど、それが凄く楽しかったんです。自分の中では、その時の楽しさというのが、大舞台ですごい観衆の前でサッカーすることと、楽しさとしてはそれほど変わらないと思うんですよ。ボールを扱うおもしろさ、サッカーの「ボールプレイ」の楽しさは、舞台の大小で変わるものではなくて。そういうボールをプレイする楽しさや喜びを、オシム氏やクライフ氏のサッカーからは感じるんです。

 それと自身が大学院の時に、当時筑波大学蹴球部の監督をされていた松本光弘先生に「玉井のサッカーの方がおもしろいよな」って言われたことは覚えていますね。「俺のサッカーは学生に仕事を強いるみたいになっちゃうけど、玉井のサッカーは遊びがあっておもしろいよな。お前の方が指導者に向いてるな」って言われ、なんか嬉しかったことは覚えていますね。

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