新潟医療福祉大学・佐熊裕和監督(写真提供=新潟医療福祉大学サッカー部)

 北信越大学サッカーリーグ1部に所属する新潟医療福祉大学サッカー部。2005年創部の新鋭チームながらも近年、Jリーガーを多数輩出するなど北信越地域の強豪としても注目を集めている。チームを率いるのは創部間もない桐光学園を強豪校へと押し上げた実績を誇る佐熊裕和監督。今回はそんな佐熊監督に、新潟医療福祉大学が目指しているサッカーなどについての話をうかがった。

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ーー新潟医療福祉大学の監督に就任された経緯はどういったことからでしょうか?

 S級ライセンスを取得して桐光学園を辞めました。「60歳までは好きなことをやろう」との考えからS級ライセンスの取得を考え始めました。その後S級ライセンスを取得しスペインで研修を行い、1年目に中国の梅県客家足球倶楽部というチームでプロ監督をスタートしました。最初は言葉の問題や文化的背景の違い、反日感情などのさまざまな問題がありましたが、「ここで通用すればどこでも通用する」との思いから何とか頑張りました。最後はチームもまとまって2部昇格のプレーオフまで行く事ができた事は指導者としての自信につながりました。最終的には昇格できなかったんですけれども、翌年のオファーも正式に届きました。シーズン終了後、中国の他に数チームからのオファーを頂いた中で、新潟の話も頂きました。アルビレックス新潟の当時の強化部長だった神田勝夫さんと、現在もお世話になっている大学関係者の方から話を聞いてプロと関係性のある立ち位置で指導ができると思い監督に就任しました。

ーー新潟医療福祉大学が目指しているサッカー、スタイルを教えていただけますでしょうか?

 基本的にはしっかりとボールを扱おうというサッカーです。これは桐光学園の時から変わらないんですけれども、全員攻撃全員守備をベースとして、全員がハードワークする。あとは重要なのはハイプレッシャーの中で状況に応じたプレーができるかどうか。これは大学だけじゃなくプロに行っても通用するようなプレーヤーとしては、状況に応じたプレーの選択ができるということは非常に重要だと思います。またその判断がギリギリのところで変えられる能力も必要になってきます。チームとしては全員での守備の共通認識をベースに速攻と遅攻の組み合わせで相手に予測できない攻撃を仕掛ける事。また観ている人に面白いと思ってもらえるサッカーを全員に徹底して指導しているつもりです。

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