(写真提供=桐蔭横浜大学)

 1998年に日本サッカー界のレジェンドである風間八宏氏が監督に就任し、本格的な活動を開始した桐蔭横浜大学サッカー部。サンフレッチェ広島ユース時代から風間氏ともかかわりが深い現桐蔭横浜大学サッカー部安武監督に、指導者として大切にしていることや尊敬する指導者、そして指導する桐蔭横浜大学サッカー部の特徴などについて語っていただいた。

ーー安武監督にとって、指導者として大切にしていることやモットーなどはありますでしょうか?

 押し付けないことですね。あくまで主役は「選手たち」であるということを理解し、例えばサッカーに関して選手たちと意見がぶつかった時は、自身の考えを押し付けるのではなく、必ず話し合いをしますね。私の言うことが100%正しいわけじゃないというのは普段から選手たちにも言っていますし、選手たちの意見の方が正しいこともありますから。選手自身が「指導者からやらされている、押し付けられてやっている」と感じることって、結局選手にとっても身に付かないんですよね。やるだけ無駄で、選手自身が本当に必要なことだと理解してやらないと、役には立たないと思います。ただ押し付けはしませんが「他人の意見に耳を傾けることは大切なことだよ」とは話していますけど。

今まで出会った指導者の方で尊敬されている方などはいらっしゃいますか?

 そうですね、今まで出会った指導者の方たちは、皆さん尊敬できる方ばかりです。その中でもあえて挙げるとしたら、サンフレッチェ広島ユース時代の監督であった小林伸二さん。本当に人生を広島ユースに捧げてくれて、情熱を注いでくれた小林さんの教えは、今でも自身のベースになっています。あとは今西和男さんですね。今西さんにはよく、「サッカー選手である前によき社会人であれ、よき人材であれ」と指導していただきました。正直サッカー選手の寿命って長くても30代くらいまでなんですよね。サッカーを辞めてからの人生の方が長いわけで、セカンドキャリアを見据えて、人間力を育てることの重要性を教えていただきました。

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