第43回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント対駒澤大学戦(写真提供=福岡大学サッカー部)

 大学4年の時に総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントに優勝したのですが、その時のスタートメンバーとして選ばれ試合にも出場しました。なぜか大学選抜にも選ばれ、日韓定期戦や海外遠征にも行きました。大学入学当時はいちばん下のカテゴリーでしたが、4年間でいちばん上のカテゴリーまで行くことができました。大学4年間でこんなに変われるんだということを自分自身が身を持って感じました。

 それが指導の理念やモットーにもつながっていて、たとえば福岡大学では、18歳の時点で完成形の選手を集めているわけではなくて、潜在能力はあるけれどもサッカー選手としての完成度というのはある意味低い選手が多いと思います。しかしウチを卒業した選手で、Jリーガーはいま81人います。昨シーズンの現役はJ1からJ3までトータルで35人いるんです。

 自身が全日本大学連盟の役員をしているのですが、登録している大学って、だいたい270校くらいあるんです。自分で詳しく調べたことはないのですが、この大卒現役Jリーガー35人という数字は、全国の大学中でだいたい4番目、5番目くらいの数字のようなんです。関東、関西に多くの人材が集中する中で、ウチの数字は驚異的な数字だと思いますし、ここ5年間では15人がプロになっています。

 ちなみに昨シーズンJ3で優勝したロアッソ熊本の主将が河原創、2位のいわてグルージャ盛岡の主将が牟田雄祐、3位のテゲバジャーロ宮崎の主将が代健司。この3人全員が福岡大学出身なんです。「J1に何人も」というと輝かしい話ですけれども、当然カテゴリーが下がってくるケースもある。J2、J3で長くプレーする選手もいるわけです。監督が変わり、チーム体制も変わるという変化が下のカテゴリーほど激しい中、長くプレーしているということは、どんな指導者にも、どんなサッカーのスタイルにも上手く適応しているということだと思うんです。

 ちなみに全日本の大学選抜の監督やコーチも12年間歴任していましたので、全国各大学の監督さんのパーソナリティも把握しているつもりですし、サッカーのスタイルもイメージできます。ユニバーシアードでもヘッドコーチや監督をして2001年、2003年、2005年と3連覇したのですが、全国の大学の選手を見てその中からセレクトして、全日本大学選抜チームを作って海外遠征なども度々実施していました。私たちがスタッフの時代に、当時はまだ無名のCBだった大学2年次の岩政大樹(現鹿島アントラーズコーチ)を海外遠征に初めて連れて行きました。

 次回は選手のスカウティングや育成に関しての話などを紹介する。