第43回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント対駒澤大戦(写真提供=福岡大学サッカー部)
ーーチームのカテゴリー構成はどのような形になっているのでしょうか?
基本的にはA1、A2、Bセレクト、B2という4つのカテゴリーになっていて、下の3つが九州のIリーグに出場するという形です。1学年で上限を30人としています。ちなみのA2はIリーグ九州で2年連続無敗優勝、Iリーグの全国大会で優勝経験が4回あります。しかもIリーガーからJリーガーになった選手も4人くらいいます。この4カテゴリーはだいたい1週間に1回、上下の入れ替わりをしています。つまり、一般入試でいちばん下のカテゴリーから始まっても、いちばん上のチームにも行けますし、逆にいくら推薦で入ったとしても、力がなければ当然下のチームに降格していきます。
チーム内でどれだけ競争意識が高い集団になれるかがとても重要だと思っています。例えば毎年推薦で平均15人くらい入部してくるんです。4学年で考えると約60人。ただ、この60人がA1とA2をほぼ占めているかというと、そうでもない。つまり、大学に入ってから伸びて来る選手たちが多いということなんです。
あまり部員数を多くしたいとも思ってもいません。なぜなら全選手をしっかり育てたいと思っているからです。ウチは進路として「サッカーで上のレベルを目指す」ということでなければ、基本的に「3年終わりで引退」という制度を採用していて、3年生、4年生への進級時には必ず面談をします。4年になってまでサッカーをしているのであれば当然それなりの覚悟も必要ですし、チームにいる存在意義、サッカーを続ける意味をしっかり持っているかどうかを個人として向き合わせます。
決してカテゴリーが下だからダメだということはなくて、むしろカテゴリーが下のチームにいるリーダーなどは、一般入試で入ってきた選手や高校での実績はほとんどないのに頑張っている選手たちなんです。この子たちって将来素晴らしい指導者になる可能性を持っているし、素晴らしい人間力も持っていると。
言葉は良くないですが、推薦で入ってきてサッカーばかりやってきた選手たちの中には、サッカーの能力はあっても、人間力やインテリジェンスが足りていなかったりする子もいます。ただウチは半期で半分以上単位を落としたら公式戦には一切出場させないというルールがあります。大学に来たのにサッカーばかりやっているということは許さないというコンセプトで、これは入部するときに約束していることです。そうすることで、サッカーだけやって来た子と、勉強もサッカーも頑張ってやって来た子たちそれぞれの良さが、大学というところで混ざっていく。それもウチの特徴かもしれません。
B2の試合をトップチーム(A1)の選手が応援に行きますし、Iリーグの試合運営もします。なぜならトップチームだけが応援される対象ではないからです。お互いのチームはお互いのチームを応援する。ウチはIリーグに3チームが出場しているので、「福大ダービー」というものがあります。ミーティングもロッカールームも別々にして、ガチの本気でやらせます。
全国のIリーグが終わってから、3人の選手をインカレに追加登録できるんですけれども、これは年間を通じて下のチームで頑張った選手をトップチームに上げています。それは我々の姿勢でもあります。
次回は乾監督が指導者として大切にしていること、心掛けていることなどについての話を紹介する。