九州産業大学サッカー部(写真提供=九州産業大学サッカー部)
――濵吉監督が尊敬されている指導者の方などはいらっしゃいますでしょうか?
一番は大学時代にサッカーを指導していただいた方であり、祖母井秀隆氏というジェフユナイテッド市原・千葉で育成部長やGM、京都サンガF.C.でもGMを歴任された方です。祖母井さんとの出会いで、私のヨーロッパの道が拓けました。
それと、スロベニアに渡った時にお世話になり名古屋グランパスや大宮アルディージャでも一緒に仕事をしたズデンコ・ベルデニック氏。
もう1人はすでに亡くなられているのですが、スロベニアで出会ったブランコ・エルスナー氏。エルスナー氏はオーストリア代表監督なども務めるなどヨーロッパでは著名な方です。この3人がいわゆる恩師と言える方ですね。
もちろんその他にも三浦泰年氏やミハイロ・ペトロヴィッチ氏などたくさんいらっしゃいます。
――スロベニアやオーストリア、日本の指導法で違いなどは感じましたでしょうか?
今では日本でもたくさん情報があったり、日本から多くの選手も輩出できている中で、ヨーロッパにいた当時大きく感じた部分は、ゴール(=将来)から逆算していくこと。専門用語になりますが、プレーモデル、プレーヤーズモデルという現代サッカーを構築している2つの要素があるんですけれども、それに向かって各年代がどう指導していくかということであったり、スタイルをどう構築していくかという部分が、ヨーロッパでは明確にあります。
私がコーチングスクールで学んだ時に最初に言われたのは「君たちが現代サッカーを理解していなかったら、時代遅れの選手を育成することになる。だから指導者が現代サッカーを理解すること、そして10年後を予測して指導していくことが大事なんだ」と教わりました。5年後、10年後など先を見据えていくこと、スタイルをどうやって構築していくかということがヨーロッパでは進んでいると感じました。今では日本でもそういう考えは普及してきましたが、そこが違いを感じた部分です。