ーー数多くプロで活躍する選手を指導されていますが、印象に残っている選手はいらっしゃいますか?

 そうですね、日本代表として活躍してくれるだろう思っていたのは山村(和也)選手ですね。彼は今まで、サッカー部で1200人くらいの卒業生がいますけど、卒業時で彼ほど将来を嘱望されていた選手はいなかったと思います。11クラブから誘われた中で鹿島アントラーズに入団して、ジョルジーニョ監督の時はほぼフル出場していたんですけれど、途中、鎖骨を骨折して長期離脱していたときに監督が変わり、そこに昌子(源)選手や植田(直通)選手らが入団してきて。出場機会になかなか恵まれなかったので「早く移籍した方がいいんじゃない」などとアドバイスしたこともあったんです。

 彼がアントラーズで常時試合に出場していたら、今では日本代表の中心選手になっていただろうなと思います。というのも大学時代に、2010年のワールドカップ南アフリカ大会サポートメンバーとして香川真司(当時セレッソ大阪)、酒井高徳(当時アルビレックス新潟)、永井謙佑(当時福岡大)とともに選ばれたんです。サポートメンバーは将来を見込まれた選手が選ばれるので、山村も日の丸を背負うと期待されていたと。みな日本代表として活躍していますしね。山村もロンドンオリンピックの予選ではフル出場していますから。2016年にセレッソ大阪へ移籍してからは、ボランチやトップ下、FW、CBなどマルチな働きを見せましたし、川崎フロンターレに移籍してからも、出場機会は減りましたが、起用された試合ではいい仕事をしていましたから。

 性格もすごく真面目ですし、大学4年間で他人の悪口を言ったのを聞いたことがありません。人間としても素晴らしく、もっと日本代表で活躍していてもおかしくない選手ですね。そういう意味でも山村は印象に残っています。

 もう一人いて、FC東京から柏レイソルに移籍して、今は柏レイソルでコーチをやっている栗澤遼一ですね。彼には将来、流通経済大学に戻って来て指導者になってほしいなと思っています。

 次回は2021年シーズンの目標やチームのセールスポイントなどについての話などを紹介する。

(取材=高校サッカードットコム編集部)