新潟医療福祉大学サッカー部(写真提供=新潟医療福祉大学サッカー部)

――佐熊監督が指導者として大切にしていること、心掛けていることはどんなことでしょうか?

 若い時は色々と無茶をしました。大学卒業後、監督経験は勿論、コーチ経験も全くない状態からのスタートでした。手探り状態で自己流で行うしかありませんでしたので、「何でこんな簡単な事ができないの?」と毎日の様に選手に言っていた事を覚えています。しかしある程度経験を積んでいくうちに「これが出来たら全国レベルだな」と思えるように変化してきました。また、大切にしている事は当たり前のように人間性、人間力がベースにないといけないなと。高校や大学を卒業後にプロになれる子は少数です。“サッカーだけが上手い子”というのは育てないようにしています。

 プロ選手が偉いとはまったく思っていないですし、指導者になっている選手もいます。公務員や社長になっている選手もいます。やはり社会に出て必要なのは人間性、人間力。そこを身に付けさせることは重視しています。勿論プロ選手にも人間力は絶対に必要だと思っています。よく指導者が「人間力」と言いますが、それは何でしょうか?何でも指導者の言う事を聞く子なのでしょうか?それとも真面目な子なのでしょうか?それだけでは選手として絶対に大成しないと思います。私は違う側面からの人間力・人間性を重要視しています。

 次回#2では尊敬している指導者やチーム構成などについて紹介する。