福富信也氏
例えば、北海道に行こうと言って集合しても、車で行こうと考える人、ヒッチハイクで行こうと考える人、飛行機で行こうと考える人等、目標が一緒でも考えるプロセスが異なれば準備や装備も異なるし、それはチームじゃない。でも実際、こういうチームが多いと思う。
プロセスに違いが出ると、空中分解になってしまうけど、そこで価値観を合わせてあげると不思議と上手くいったりする。
じゃあさっきの例えと同じ北海道に行くにしても、最優先の価値観が“最速”なら、東京からであれば殆どの人が飛行機を使うだろうし、“なるべく安く、でも24時間以内に到着”となれば、大体が電車の鈍行か車に乗って下道で行くか等、限られた選択肢の中から皆が似たような事を考えるよね。そうすれば、大幅な意見の食い違いは生まれにくいし揉め事は起こりにくい。更には、他人と意見が食い違う可能性が低ければ自分の意見も言い易いかもしれない。
目標を定めて、幾つか価値観を揃えてあげれば、途中で空中分解する事が少なくなる。その価値観をよく変える人は、“ブレてる”と言われてしまう。多くのチームが目標は立てるけど、プロセスや価値観を与えていない。ピッチ内で言えば、きっとこのシーンになったらこういうプレーするよね、って描けるチームは価値観の共有が出来ている。自由過ぎると不安になるし、ある程度制限された中で後は自由にやってと言われた方が遥かに合わせ易い。
ーー次回、実際に携わったチームを例に挙げてお話頂く。
(取材=編集部)
協力=BRIGHTON CAFE
▼著書