都立国分寺のMF若林春希は幅広く動き攻撃の起点に(写真=佐藤亮太)

 相手の守備陣形の前で、右から左、左から右にと短いパスを繰り返し、様子をうかがうばかり。時折、浮き球のパスで打開しようにも、相手に「待ってました!」とばかりに拾い上げられ、大きく前線めがけてクリアされる。そのままカウンターの対応に追われた。

 それでも実践学園が無失点に抑えらえた要因は、確実にセカンドボールの処理ができたことと、ある程度押し込まれても落ち着いた守備の連携ができたこと。加えてDF鈴木を含めた最終ラインの個の能力が光った。

 ピンチらしいピンチといえば、前半33分、前半39分の2回のカウンターと、FKのクリアボールから都立国分寺MF15笹岡朋央(3年)にミドルシュートを浴びた後半34分のシーンの、合わせて3回ほど。試合を通してみれば、終始、安定していたと言える。

 一方、チャンスを増やそうと躍起になったのが都立国分寺。主将MF7若林春希(3年)が前後左右に顔を出し、パスを供給するも、カウンターの精度や展開力の質がいまひとつだったのが悔やまれる。それでも堅守を構築し、健闘した。

 実践学園は、やりづらい初戦を突破。次の準々決勝の相手は、終盤の3得点で明星学園との準決勝を制した東京朝鮮中高級学校。得意のシュートカウンターが披露できるかどうか。本領発揮となる。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選