駒澤大学高等学校のFW加茂隼は攻撃を牽引した(写真=多田哲平)

 そして前半をスコアレスで終えると、後半の序盤に立て続けにスコアを動かす。45分にMF6佐藤星南(3年)が蹴った左CKに合わせた尾形のヘディングで先制すると、47分には敵陣を抜け出したFW9岩野隆斗(3年)のゴールで2点差とした。

 その後も、運動量豊富なMF10宇田川陸飛(3年)を中心に連動した守備組織を構築すると、前掛かりになる駒澤大高の攻撃をはね返し続け、終盤の猛攻も凌ぎ切って2-0の完封勝利。総じてみれば相手のほうがチャンスは多かったが、これを凌ぎ、逆に少ない決定機をきっちりとモノにする決定力が光った。

 片山智裕総監督は「プランはある程度ハマった。相手の左側がストロングだったので、そこに人数をかけようと積極的に変化させたら、少しパニックを起こしてくれたので有利に進められたかな」と勝因を語る。

 会心の勝利を収めた東京実業は2大会ぶりの準決勝進出。次戦は成立学園と対戦する。

 一方の駒澤大高もパワフルな攻撃で最後まで反撃弾を狙った。松原は切れ味鋭くドリブルを仕掛け、FW10加茂隼(3年)ポストプレーと高打点のヘディングや鋭い抜け出しを見せた。2失点したものの多くの場面でDF3丹治風登(3年)とDF6笠間吉孝(3年)の冷静な守備も目を引いた。

(文・写真=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選