かえつ有明のFW長谷川然はアイデア溢れるプレーでゴールに迫った(写真=多田哲平)
後半に入っても武蔵の集中力は途切れなかった。MF6原田航太(2年)とMF8浜野和輝(3年)の両ボランチがボールホルダーに圧力をかけ、その後方でDF14上手雄生(3年)とDF4平賀惟吹(2年)のCBコンビがボール奪取を狙う。
勝因のひとつが、この守備の連動。武蔵を率いる岩永雄太監督は言う。
「個で戦うチームではないので、まずは守備を11人全員でしっかりやろうと話していました。毎回トレーニングではどれだけ強度高くできるかをこだわってきた。それが出せたのかなと。特別な決まり事はないですけど、ボールを取られた瞬間に近い人から寄せて、周りがそれに連動する。それでも広げられてしまったら、追っても剥がされるので、一度整えてからまた体制を作るという、その使い分け。そこはチームで共通認識を持ってやってきました」
統制の取れた守備を見せた武蔵は、ボールを奪えば、すかさず突破力の光る大島と高橋につないでカウンターを試みた。すると52分、左サイドからのクロスに合わせてまたも高橋が右足を強振。大きな追加点を挙げてみせる。
そして2点リードのまま迎えた終盤の80+3分のピンチをGK1丸山凱智(2年)のファインセーブで逃れ、2-0の完封勝利。見事に2次予選初戦を突破し、都立野津田との2回戦へと駒を進めた。
一方で敗れたかえつ有明も見せ場を作れなかったわけではない。冬木のほか、FW10長谷川然(3年)とMF7山村櫂斗(2年)のドリブル突破も強力で、度々武蔵ゴールに襲い掛かった。左サイドのFW14安部生吹(3年)とDF11生水千尋(3年)のコンビも強烈。DF2藤本勇洋(3年)とDF3永井悠斗(3年)のCBコンビが体を張れば、GK21佐竹快翔(2年)も最後まで声を張り、チームを鼓舞し続けた。
(文・写真=多田哲平)
▽第101回全国高校サッカー選手権東京予選
第101回全国高校サッカー選手権東京予選