昨年度全国選手権4強時の矢板中央(写真=堀井優真)

※取材は栃木県の緊急事態宣言解除前に実施。

 学校が休校となり、ほとんどのチームが活動を自粛している。その中で指導者たちは試行錯誤しながら、子供たちと懸命に向き合っている最中だ。矢板中央ではメンタル面のケアを図りながら、10年後の未来を見据えて新たな目標設定を選手たちに促している。

 ただ、不安なのは進路。インターハイなどの公式戦が中止となり、大学進学やプロ入りなどに向けてアピールをできない選手たちの心中は穏やかと言えないだろう。ただ、そうした現状を救うべく、指導者たちも動き出している。後編の今回は髙橋健二監督に子供たちの進路について話を伺った。

ーー以前から子供たちに「サッカーは人生と一緒だ」とおっしゃっていました。その意味でも、矢板中央が今まで取り組みが試される時期に来たのではないでしょうか。

「サッカーは人生と一緒だ」。これを体現していく時期に来たと思います。これはピッチだけではなく、ピッチ外のところで危機管理をして感染予防につなげていく。関わる人や家族、チームメイトに感染させないことが大切になってくるので、意識しながらやっていきたいですね。ただ、不安な点はテレビとかネットなどのネガティブな報道で、気持ちが左右されてしまう点です。だからこそ、大切なのは人と人の繋がりで、心の安定や成長につながるんです。大切な仲間とともに生きていく考え方を意識して欲しいですね。

ーー勉強面も不安ですよね。

学校再開時に個人差が出るかもしれません。長期の休校は初めての体験で、我々も未知の部分が大きいんです。これからの時代、今までの常識が通じなくなってきているので新しい方法論を考えて、勉強に取り組む考え方が大事ではないでしょうか。

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