(写真提供=八戸学院野辺地西高校サッカー部)
高校サッカー界の「絶対王者」青森山田高校。多くのチームが「打倒!青森山田」を掲げる中、もっともその思いを強く抱く高校が同じ青森県の「八戸学院野辺地西高校」だろう。ここ数年の高校サッカー選手権青森県大会決勝でも、2018年が1-2、2019年が0-0(PK戦敗退)、2020年が0-3と、絶対王者にことごとく弾き返されて来た。今回は「打倒!青森山田」にかける思いや、野辺地西高校サッカー部のセールスポイントなどについて三上晃監督に話をうかがった。
ーーベスト4(3位)という結果だった東北大会(東北高校新人サッカー選手権大会)について振り返っていただけますでしょうか?
全国大会に出場したことがない私たちにとって、こういった「全国レベル」のチームを肌で感じることができる大会は、日々取り組んで来たことを他県の強豪チーム相手にどれだけできるかを見極めるということにおいて、とても楽しみなものなんです。
残念ながら3位に終わったんですけれども、2勝することができ、仙台育英さんなど全国レベルのチームと試合をさせていただくことができて、本当に有意義な大会でした。正直なところをいわせていただくと、3位決定戦で全国レベルの尚志さんと試合をやりたかったというのが本音ですね。それでも開催されたJヴィレッジでは各県代表校とトレーニングマッチもできましたし。そういう意味でもチームのレベルアップが図れた重要な大会だったと思います。
ーー「打倒青森山田」は大きな目標だと思いますが、そのためにはどんなことが必要だと思われますか?
いまの生徒たちは、青森県下で、青森山田さん以外で全国大会に出場している高校チームを知りません。そんなネガティブなイメージも払拭しないといけないですし、青森山田さんに勝つためには、1日も無駄にできません。ですので1日1日を本当に大切にしながら、生徒たちと「どうやって青森山田さんに立ち向かうか?」ということを何度もミーティングし、いろいろな答えを模索しています。「いざ勝負」となったときに相手を上回れるような準備がいかにできるか。日々の生活、学校の中での生活、部活動での生活をうまくコントロールして、「いい状態を作ることが大切だよ」という話は日頃からしています。あらゆる努力、準備をして歴史を変えたいと思っています。
先日行なわれた東北大会(東北高校新人サッカー選手権大会)でも、青森山田さんは、尚志高校さんに5-0で勝ち、仙台育英さんに6-1で勝つなど、全国トップクラスのチームとでも圧倒的な力を見せつけるほど強いので。メンタル面の強化であったり、普段からの取り組みを見直さないと、中途半端なサッカーでは勝てないということを思い知らされました。
それと、我々が青森山田さんを倒して全国大会に出場したときに、「全国優勝する準備をしておかなければいけない」ということは、生徒たちにも話をしています。青森山田さんに勝つということは、同時に大きな責任を背負うということですし、出場するからにはトーナメントで勝ち上がらないといけません。チーム内からも高校選抜に選ばれる選手や、Jリーグに入団する選手も出てくる可能性もあります。つねにそういったイメージを持たせながら、試合や練習に取り組もうという話をしているんです。
選手権の決勝ではPK戦までもつれこんだこともありましたので、いろいろなところから応援や激励などをいただきました。そういった声を力に変えて、コツコツと、また良いゲームができるように頑張りたいと思っています。