(写真=ベガルタ仙台ユース提供)

 過去にはU-14・15カンボジア代表監督兼U-14・15カンボジアフットボールアカデミー監督の経験を持つベガルタ仙台ユースでヘッドオブコーチング兼ベガルタ仙台ユース監督を務める壱岐友輔氏のインタビュー後編。後編ではカンボジアU-14・15代表監督時代のこと、そして、活動自粛中(新型コロナウィルスの影響を受けて)のチームへの指導について伺った。

――壱岐監督は2014年1月から2016年1月までカンボジアU-14・15代表監督を務められていらっしゃいましたが、どの様な2年間でしたでしょうか?(行く前と行った後では、指導に関して変化はありましたでしょうか?)

 当初は、サッカー後進国のカンボジアに指導をしに行くという感覚だったのが、いざ、任期を全うする頃には、本当に自分にとって中身の濃い、沢山のことを学ばせて頂いた素晴らしい2年間となりました。私の人生の中にも大きな影響を与えてくれています。

 私が携わったプロジェクトは、10年後の東南アジアオリンピック(SEA GAMES)をカンボジアで自国開催し、サッカーで優勝することを目的とした国家プロジェクトで、そのスタートに携われたこと、そして、育成年代とは言え代表監督として国内で優秀な選手を育成し、成果をあげることが出来たことは大きな自信に繋がりました。現在、その携わった選手たちの中には、若干17歳の若さでカンボジアのTOPリーグの得点王となり、フル代表のストライカーとして本田圭佑監督の元、ワールドカップを戦っているSIENG CHAN THEA(チャン・ティア)選手、そしてほかにも、数人の選手がフル代表に選出されました。その活躍している姿を観ると育成指導者として非常に嬉しく思います。

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