東海大高輪台・川島純一監督

 2016年インハイ出場や2019年の選手権決勝進出など、激戦区・東京においてここ数年で屈指の強豪校へと進化を遂げている東海大高輪台サッカー部。チームを率いる川島純一監督に、東海大高輪台サッカー部のセールスポイントやシーズンの目標などについて話をうかがった。

ーー2016年インハイ出場や2019年の選手権決勝進出など、ここ数年で実績を積み上げてきていらっしゃいますが、さらに上を目指すにはどういったことが必要だと感じられていますか?

 2019年は最後のアディショナルタイムで悪夢を味わったので…。あれは今でも忘れないように、グラウンドの控え室に貼ってあるんですけどね。

 やはり自分たちの形のこだわりは持ちつつも、何でもできるようになった方が、ああいったゲーム(2019年の選手権東京予選Bブロック決勝)を勝ち切れる力が付くんじゃないかなと思っています。「こういう練習をやっているんだから、それを出して終わろうよ」ということももちろん大切だとは思うんですけれども、勝負事の中でプラスアルファの一手を出して勝てるようになりたいとは思っていますね。 

ーー昨年などは大会が中止になったりコロナ禍で大変だったとは思いますが、練習や普段の生活で、監督自身、また選手たちがコロナ前とコロナ後で変わったことはありますか?

 生徒たちと話をして確認しているのは、当たり前が当たり前じゃなかったそういうことですね。今も当たり前にサッカーをやらせてもらっていますけれども、「これが当たり前のことじゃない」ということを感じることができたので、やはり選手もグラウンドだけではなく、学校での意識もひとつずつ変わったと思いますし、自粛明けでチームで集まった時に、選手たちのコンディションがとても良かったので、家でもトレーニングにしっかり取り組んだりしていたんだなということが彼らを見てわかりました。

 大変な状況を経験したことで、サッカーができることに対する感謝の気持ち、一日一日を大切にする気持ちというものは、今まで以上に大きくなったと思いますし、選手たちの中で共通理解になったんじゃないかなと思います。選手一人一人の自主性や責任感、練習に取り組む姿勢などは、以前よりもアップしたとは思います。

東海大高輪台サッカー部の練習風景

ーー東海大高輪台サッカー部のセールスポイント、強みというのはどういったところでしょうか?

 組織的な事を大切にしていて、チーム一丸となって戦うということをテーマにしているので、選手たちのまとまり、チームの一体感はセールスポイントだと思いますね。カテゴリーは分かれていても「別のチーム」にはならないで、ひとつにまとまることができるのも、ウチのチームの強みだと思います。 選手たちにも「No.1の組織力を身に付けよう」という話はよくしているので。 

ーー今シーズン何か具体的に目標としていることなどはありますでしょうか?

 まずは目の前の一歩一歩というところですね。それと、今の3年生たちは、2019年の選手権予選をスタンドで見ていたのでの、悔しさを知っています。あの日あの場所に置いていったままの忘れ物を取りに行きたいとは思っていますね。