松商学園・高山剛治監督(写真提供=松商学園サッカー部)
長野県・松商学園。全国制覇の経験がある野球部も名門として知られているが、平成元年のインターハイ初出場以来インターハイ、選手権を合わせ30回もの全国大会出場を果たしているサッカー部もまた強豪として知られている。さらに平成29年4月にはJ2の松本山雅FCとユース年代の選手育成に関する連携協定を締結したことを発表。チームの強化・育成にも拍車がかかっている同校サッカー部・高山剛治監督に、部のセールスポイントや今シーズンの目標などについて話をうかがった。
ーー昨シーズンや今シーズンなど、練習や普段の生活で、監督自身、また選手たちはコロナ前とコロナ後で変わったことはありますか?
普通の活動だったり県を跨いで動いたりすることに対して制限がかかっていたりして、県外の強い相手との試合をすることができない、「打ちのめされる」といった経験をすることがなかなかできないという点はありますね。選手たちにとっても、県外遠征を楽しみにしていたけれど、状況が変わって行けなくなってしまったりとか、いつもなら県外から遠征に来てくれていたチームともお互いの状況で試合が組めないなど、そういったなかなか得られない部分が体感できていないというのは以前と違いますね。
例えば青森山田さんと一度試合をしたことのある代の選手たちというのは、いい意味で一年引っ張れるというか。あの強さ、あの基準のチームを相手でも「俺たちはやるんだよ」というのを試合によって感じられるので。また逆の意味でもあのチームに勝つためには毎日何が必要なのかということも肌で感じられ活かしていけます。そういった部分では可哀想というか変わってしまって残念ではありますね。
私自身も、県外遠征が多くできれば、いろいろな指導者の方と話をすることによって得ることや「自分はまだまだダメだな」と思うこともあります。それが自分の中でのヒントになったり、突破口になったりするので、指導者同士の交流もできないことは多くの指導者が伸び悩む原因にもなりかねないと思います。
ーーちなみにコロナ以前はよく練習試合を組んでいた高校などはあったのでしょうか?
よく試合をやらせていただいていたのは、帝京高校、流経大柏高校、帝京可児高校、中央学院高校、富山第一高校、國學院栃木高校ですね。みなさん快く練習試合を引き受けていただけます。
練習中の松商学園サッカー部(写真提供=松商学園サッカー部)
ーー8月の中旬まで松本のフェスに参加されていたということですがどういったチームが参加していたのでしょうか?
今年はコロナ禍でいつもより参加チームも少なくなってしまったんですけれども、例年であれば県内の高校に加え、霞ヶ浦、刈谷、名古屋、第一学院、龍谷富山、富山第一、正則学園、福井商業、興国、飯塚とかですね。こういう状況ですと声をかけづらいですし参加しづらいので大変だと思います。
ーー松商学園サッカー部のセールスポイントはどういったところでしょうか?
松商学園に来るとサッカーを好きになるということです。やはり自分たちで主導権を握って、「止める・蹴る」を大切にしたサッカーを何年かやってきて、私自身が選手に気付かせてもらったことです。今では選手がすすんで「止める・蹴る」などの自主練をひたすらします。自分が下手なことを怖がらない。やればうまくなるということを松商の選手は知っています。なのでウチに来るとサッカーが好きになって、練習も好きになると思います。サッカーが上手くなりたいとか、サッカーのことをもっと知りたいということを追求できているチームだと思います。
ーー今シーズンの目標としていることなどはありますでしょうか?
選手たちの目標としては県大会を制して全国大会に行くというのはあると思うんですけれども、私自身の目標としては、このチームで1日でも長くサッカーを続けるということですね。ここ数年は特にそれをやれているかなと思います。
これは毎シーズン同じなんですけれども、例えばインターハイ予選を戦っている中でも、とくに3年生たちが中心となって、カテゴリー関係なく「俺たちは最高の仲間だ」というような空気感を出してくれていて、チーム全員がそれを感じていると思います。去年からは毎日をすごく大事にしなければいけないなということを自分の戒めとしてやっていて、「明日は試合だから頑張るぞ!」というのではなく、1年生から3年生まで全員で、1日でも長くサッカーを続けたいなと思っています。『大切な仲間と一日でも長く』を合言葉に頑張っています。