国見・木藤健太監督(写真=藤原裕久)

 国見(長崎)が全国の舞台に帰って来る…。長崎県予選を勝ち抜き、12年ぶり24回目の選手権出場を決めた国見。第101回全国高校サッカー選手権大会の開幕を目前に控える国見の木藤健太監督にインタビューを敢行。選手権長崎予選決勝の振り返りやチームの成長などについて話をうかがった。

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ーー選手権県予選の優勝、12年ぶりの全国大会出場達成から時間も経ちましたが、あらためて全国出場達成を振り返っての感想を聞かせてもらえますか?

 自分の中では、このチームは全国で戦えるという思いがあったので、決勝戦で勝ったときにうれしさはあったんですけど、それ以上に「これでようやくスタートラインに立てるな」という感じでしたね。自分の中ではそういう思いが強かったです。終了間際の決勝点という劇的な勝ち方だったので、そのうれしさはありましたけど、それ以上に「ようやく全国で勝負できるな」という、そっちの気持ちが大きかったですね。

ーー利根悠理選手の決勝ゴールが決まった時、他のスタッフが大喜びしている中、木藤監督が落ち着いていた姿が印象的でした。あのときはどういう心境だったのでしょうか?

 結構冷静でしたね。残り時間を確認して、その時間をしのげるのか、このまま試合を終えられるのかを考えていました。残り時間がほとんどないのはわかっていたんですけど、頭の中でずっと状況を整理していましたね。時間を確認した上で「よし、喜べるな」っていう感じで(笑)。みんながすごく喜んでいるのはわかったんですけど、すごく客観的に見ていましたね。

ーーいつも勝利のときはそういう感じなんでしょうか?

 いや、そういうわけじゃないですよ。そういう意味では、自分もようやく目の前のことに一喜一憂しなくなってきたのかなと(笑)。一喜一憂して失敗もたくさんしてきましたからね。終了の笛が鳴った瞬間だけですね、アレコレ考えずに喜べるのは。試合では何が起こるかわからないですし、常にいろんな状況を考えてマネジメントすることが必要なので、だんだん一喜一憂することはなくなりました。

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