山梨学院高等学校・長谷川大監督
初出場初優勝という快挙を成し遂げた第88回大会、不利の下馬評を覆し優勝した第99回と、2度の選手権制覇を誇る山梨学院高等学校。記念すべき100回大会にも、連覇を狙い山梨県代表として出場する。そんな強豪チームを率いる長谷川大監督を大会前に取材。指導者を目指したきっかけなどについて話をうかがった。
ーーまず長谷川監督のご経歴を簡単に教えていただけますでしょうか?
秋田商を卒業して中央大学へ進学しプレーをして、大学卒業後すぐに秋田商に教員として赴任しました。秋田商で17年間、監督、そして教員をやりながらサッカーを指導し、その後、当時関東大学サッカーリーグ1部に所属していた神奈川大学の監督を4年つとめ、山梨学院大学のヘッドコーチを1年つとめた後に、2019年から山梨学院高等学校の監督に就任しました。
ーー指導者を目指したきっかけなどを教えていただけますでしょうか?
私が高校3年生の時に、恩師(外山純・当時秋田商監督)から大学進学を薦められて中央大学に進学しました。そこで「教員免許を取って、将来(秋田に)戻ってくればいいんじゃないか」という話をされた時に、当時はプロ志望だったんですけれども「そういう道もあるのか」と思ったことがきっかけです。「母校で選手権優勝したいな」と。母校では優勝できませんでしたが、山梨学院高等学校では優勝させていただくことができました。
ーー指導者として尊敬されている方はいらっしゃいますか?
もうお亡くなりになられたんですけれども、恩師である秋田商の元監督外山先生は、サッカーだけでなくサッカー以外のことも全てに影響を与えてくれた方でした。
サッカーの指導者でいうと、イビチャ・オシム元日本代表監督やリヴァプールのクロップ監督も、練習を参考にさせてもらったりしています。
ーー大学生と高校生の両方を指導されたことがあると思いますが、指導する上で大きな違いを感じた点などはありますでしょうか?
まず大学生は確かな「サッカー観」がありますね。自分が育ててもらった環境に応じてサッカー観が創られます。大学では、その一人ひとりのサッカー観をチームの方向性へアジャスト・揃えることが必要なことだったんですけれども、高校生は、大学生に比べてサッカー観がまだ完成されていない。なので、サッカー観を創っていくことにまずトライしなければいけないというところに違いを感じますね。「サッカー観を創る」というところと「サッカー観を束ねる・掛け合わせる」というところが高校と大学の大きな違いかなと思っています。
次回はチームの目指すサッカーや選手権についての話などを紹介する。