練習を見つめる創成館・久留貴昭監督(写真提供=創成館サッカー部)

 2011年、久留貴昭監督の就任を機に長崎の強豪へと成長していった創成館第99回全国高校サッカー選手権では初出場で3回戦に進出するなど、気鋭校として県内外から注目を集めている。そんな創成館の久留監督に取材を敢行。選手、監督として出場した選手権の舞台や、印象に残っている選手などについて話をうかがった。

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ーー第101回大会は出場を逃してしまいましたが、創成館は第99回大会の選手権に初出場しました。久留監督にとって選手権とはどういう舞台だったでしょうか?

 私が高校3年生の時の選手権は県予選決勝でPK戦負けてしまったんです。なのでどうしてもあの舞台に行きたい、選手たちを連れていってあげたいという思いもあって指導者になっているので、選手権に出た時は、「やっとこの場に立てた」という思いが強かったですし、改めて夢を見させてくれる場だなと思いました。

 それと、全国に出てくるチームは、CBだったらガッチリしていますし、サイドの選手はスピードがありますし、本当に「体格が違うな」というところと、強度、攻守の切り替えが早いなと感じましたね。

ーー選手として出た選手権、監督として出た選手権の違いなどは感じられましたか?

 高校生の時に、選手権のあの雰囲気を多少感じていたので、監督として出場した時も「この空気感はやっぱりいいな」と感じました。ただ試合をするのは選手たちなので、彼らには「本当に楽しくやってきてくれたらうれしいな」という感じで、応援する気持ちになっていましたね。でも選手たちが舞い上がってしまってはいけないので、私の方はなるべく冷静さを保つようにはしていました。

ーーちなみに久留監督が今までで記憶に残っている試合などはありますでしょうか?

 選手時代では市立船橋(千葉)に負けた選手権の決勝ですね。「なぜ勝てなかったのか」とか「負けたらこんな思いをするんだよ」とか、あの悔しさを選手にも伝えています。

 あとは指導者になって初めて選手権出場を決めた県予選決勝の長崎総科大附戦ですね。あの瞬間は本当に嬉しかったですね。

ーーでは今までで印象に残っている選手などはいますでしょうか?

 同期では横浜F・マリノスや京都サンガF.C.、湘南ベルマーレなどで活躍したFWの田原豊、FC東京に行ったMFの諏訪園一吉、大分トリニータやセレッソ大阪などで活躍したDFの上本大海、ベガルタ仙台に行ったGKの萩原達郎など、プロに行った4人はやっぱり印象に残っていますね。個の質の高さは凄いものがありました。

 もちろん1つ上の先輩である松井大輔さんと那須大亮さんの努力する姿、サッカーに取り組む姿勢などは、もの凄く刺激を受けました。本当にストイックですし、個のレベルが高過ぎでしたね。

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