国見高校サッカー部木藤健太監督(写真=藤原裕久)
選手権で6度の優勝を誇る九州の雄・国見が、じつに14年ぶりに第42回九州高校U-17サッカー大会で優勝を果たした。周囲から「国見復活か?」という声が上がるなか、周囲の声やチームの強化、丸刈り廃止などについて木藤健太監督にインタビューを行った。
ーー今年は長崎県新人戦で優勝し九州新人戦でも優勝しました。周囲から「国見復活」という声もあがっていますが、そのことについてはどう思いますか?
上を目指すためのベースについては、僕が国見の監督に就任したときからすれば、だいぶできてきたと思います。でも「復活」というとなると、全国で勝たなければいけないでしょうね。それに私の中では、「復活」というのは正しい表現ではなくて新しいチームという感じなんですよ。
ーー復活を目指すというより新生を目指すという感じですか?
そうですね。小嶺(忠敏)先生(現長崎総合科学大学付属高校サッカー部監督)がいたころの国見と今の国見というのは、同じ高校ではあるんですけど、今いる子どもたちはその教えも受けていないですし、世代的に強かったころの国見も知らないんです。九州新人戦で14年ぶりの優勝と言われても、子どもたちにとっては初優勝のような感じだと思います。私も監督としての実績はまだまだですし。そういう意味で同じ高校なんですが、同じじゃないような不思議な感覚があります(笑)。もし復活と言っていただけるのなら、それは全国で勝ったときなんだと思います。
ーー確かに今の国見高校は、木藤監督とコーチ陣が連携して指導を行うのが強化スタイルの特徴になっているように思います。スタッフ陣も多いのですが、これは意図して集められたのでしょうか?
そうですね。そこは最初から意識しました。10回遠征に出るよりも普段の練習という感じで、一番大事なのは日々の練習だと思っています。チーム全体をマネジメントするために力のある指導者は絶対必要ですから。そこについては本当にいろいろな方にお願いをして来てもらいました。V・ファーレン長崎の強化部にいた田上(コーチ:田上渉)や総監督の内田さん(内田利広)であったり、小原(GKコーチ:小原勇人)、手塚(コーチ:手塚昌希)、小川(コーチ:小川絢生)、外部指導者の山本(コーチ:山本政彦)であったり、指導者ライセンスを持つ優秀なコーチ陣がいるので、それがチームの力になっているのは間違いないですね。ここは本当に上を目指すためには必要な事ですし、ベース作りの中では欠かせないものですね。
ーー今年から国見高校サッカー部は丸刈りをやめました。そのあたりにも「新生国見」を感じます。木藤監督は以前から髪形を自由にしたいと話していましたが、これは今回の新人戦優勝とタイミングを合わせたんですか?
いや、たまたまです(笑)。去年も髪形を自由にしようと思って、子どもたちに話をしたんですけど、そのときの3年生に「いや!国見は坊主なんで!」って言われまして。こっちが「本当に良いの?」って言ったくらいなんですよ(笑)。でも1、2年生は本当は伸ばしたいんじゃないかなと思うので、3年生が卒業したのを機に髪形を自由にしました。丸刈りが大事なんじゃなくて、その中身が大事なんだからという話を、子どもたちにはしています。