桐生第一・田野豪一監督(写真提供=桐生第一サッカー部)
インターハイ出場3回、選手権出場2回の全国大会出場を誇る、群馬の強豪・桐生第一。強豪校が揃う県内では、前橋育英や前橋商、上位進出の常連校となった健大高崎らとしのぎを削っている。チームを率いる田野豪一監督に、ライバル校についてや、さらに上を目指すために必要なことなどをうかがった。
ーー関東大会予選にインターハイ予選、リーグ戦が重なる時期などはコンディションを保つのにどういったことに気をつけていらっしゃいますか?
GPSを採り入れた練習をしていますので、コンディションや強度の部分ではかなり注意してチェックしています。それと、メンバーを入れ替えながら戦うようにしています。関東大会の群馬予選が準々決勝から決勝まで3日間連続だったんですけれども、おそらく2試合連続フル出場の選手はいなかったと思います。
ーー群馬には前橋育英さんや前橋商さん、健大高崎さんなどライバルチームも多いですが、そのことについてはどう感じていらっしゃいますか?
正直いうと嫌ですよ。ラクに勝ちたいです(笑)。でも全国優勝などを狙うためには、身近なところに全国レベルの強いチームがあって、切磋琢磨できることは良いことだと思っています。前橋育英の山田耕介先生も尊敬している指導者の1人なんですけれども、あれだけ毎年毎年常勝軍団を作れるのは凄いことだなと。
そんな山田先生を追いかけながら、去年の選手権群馬予選では倒すことができたんですけれども、次戦の前橋商さんに負けてしまって。狙うところは1つではダメなんだなと。これは大いに反省しなければいけないと思った部分です。どんなサッカーにも対応できないとダメなんだなということに気付かされました。なので強いチームが出てくるほど自分たちの成長にもつながりますし、個性の違うチームが出てくるといいなと思っています。千葉県などは個性の違う強いチームが多いので、ああいう感じになればいいなと思いますね。
ーー田野監督が今までで記憶に残っている試合などはありますでしょうか?
やはり全国大会初出場を決めた試合ですね。選手権の初出場を決めた試合とインターハイ初出場を決めた試合で、特に印象に残っているのは選手権の初出場を決めた試合ですね。相手は前橋育英さんで0-2で負けていたのですが、後半残り10分とか15分くらいで、イエローカード2枚で前橋育英さんに退場者が出て、そこから同点に追いついて延長で勝ち越した試合です。ドラマみたいな試合でした。
プリンスリーグ関東での対帝京戦
決勝点がセットプレーからの得点だったんですけれども、そのセットプレーはU-17日本代表に選ばれた鈴木武蔵(現KベールスホトVA)が代表から持ち帰ったトリックプレーだったんですけど、その位置、その場所からでしか使えないトリックプレーだったので、ここぞとばかりに使ってみたら見事に決まったんです。いろいろな部分で普通ではあり得ない試合だったのでとても記憶に残っていますね。
ーープレミア昇格、全国大会常連など、さらに上を目指すにはどういったことが必要だと感じられていますか?
まずは身近なところに前橋育英さんという全国常連の強豪チーム、山田耕介という素晴らしい知将がいらっしゃいますので、そこを超えるためにとにかくサッカーを勉強しているんですけれども、いろいろと試行錯誤しながら“コレ”というものを探しつつ、後は今やっているものを上手くマイナーチェンジをしながらコツコツと積み上げていくことが大事なのかなと思っています。
「チームはひとつ」というテーマがあるんですけれども、みんなの和を大切にしながら戦うことをベースに、いろいろなサッカーを仕掛けていきたいです。